封切り三日目。
席数155の【シアター1】は満員の盛況。
十二年に渡って在位した『アン女王(オリヴィア・コールマン)』、
その幼馴染であり且つ寵愛を受けた宮廷女官『サラ(レイチェル・ワイズ)』、
やがては『サラ』に取って代わる従妹の『アビゲイル(エマ・ストーン)』、
三人による複数年の愛憎の物語り。
その幼馴染であり且つ寵愛を受けた宮廷女官『サラ(レイチェル・ワイズ)』、
やがては『サラ』に取って代わる従妹の『アビゲイル(エマ・ストーン)』、
三人による複数年の愛憎の物語り。
事実関係やディテールはさておき、
恩顧を受けることになった次第と
その先で何がしたかったのかが、
重要なポイント。
恩顧を受けることになった次第と
その先で何がしたかったのかが、
重要なポイント。
『サラ』は女王を自分の管理下に置き、
権力の代弁者として君臨する。
権力の代弁者として君臨する。
しかし元々は、
躰が弱って行く親友を助けたい思いからかもしれないし、
夫の栄達を求めることが背景にあったかもしれない。
躰が弱って行く親友を助けたい思いからかもしれないし、
夫の栄達を求めることが背景にあったかもしれない。
それは『サラ』に反発をし、女王の愛情を勝ち得ること自体がゴールであり、
以降のビジョンが何もない空虚な状態であったから。
以降のビジョンが何もない空虚な状態であったから。
もっとも心根の部分とは別に
三人の女性の濃密な関係と心の揺らぎ、
弄する手管の中身が本編の見所の一つ。
三人の女性の濃密な関係と心の揺らぎ、
弄する手管の中身が本編の見所の一つ。
対比するように提示される、
大所高所からの説を述べながら
庶民の困窮を顧みず浪費に耽る当時の男性支配層の腐敗(あ、今でも一緒か)に呆れながらも
繰り広げられる女性同士のやり取りには慄然とする。
大所高所からの説を述べながら
庶民の困窮を顧みず浪費に耽る当時の男性支配層の腐敗(あ、今でも一緒か)に呆れながらも
繰り広げられる女性同士のやり取りには慄然とする。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。
「虎の威を借る狐」は
自分を追い落とすものの存在に常に恐々とする。
自分を追い落とすものの存在に常に恐々とする。
加えて、主である「虎」が居なくなることも
権力の失墜に直結するのも
洋の東西を問わず歴史の普遍的な真実。
権力の失墜に直結するのも
洋の東西を問わず歴史の普遍的な真実。