封切り八日目。
席数107の【CINE1】は満員の盛況。

いや~笑った笑った。
彼がこんな稼業をしている理由、そして何故
赤の他人の彼女と一緒に暮らしているのかは
劇中でおいおい語られるも、
二人の会話はまるっきり、古女房とその尻に敷かれまくっている亭主のそれ。
赤の他人の彼女と一緒に暮らしているのかは
劇中でおいおい語られるも、
二人の会話はまるっきり、古女房とその尻に敷かれまくっている亭主のそれ。
試しに『栞』の発話だけを切り出してみると良い。互いの関係が瞭然になる。
『矢能』は全く彼女に逆らえないのだ。
『矢能』は全く彼女に逆らえないのだ。
外への強権とはまるっきり真逆の態度が、
なんとも言えぬ可笑しさを生む。
なんとも言えぬ可笑しさを生む。
そんな柔らかい関係を主軸に据えながらも、物語の流れは至って生硬。
望まぬ仕事の依頼から殺人事件に巻き込まれた主人公が
身の潔白を晴らすため、過去に築いた人脈を駆使し
真相に迫って行く。
身の潔白を晴らすため、過去に築いた人脈を駆使し
真相に迫って行く。
そのやり口は相当に荒っぽいし、時として
人を人とも思わぬような態度を取るにもかかわらず
周囲が『矢能』を助けることを厭わないのは
恩義が廻り回って自己に戻ってくることを弁えているのと
先に挙げた『栞』への処し方が彼の本質であるのを知っているからだろう。
人を人とも思わぬような態度を取るにもかかわらず
周囲が『矢能』を助けることを厭わないのは
恩義が廻り回って自己に戻ってくることを弁えているのと
先に挙げた『栞』への処し方が彼の本質であるのを知っているからだろう。
取り巻く人物達のキャラも相当に立っており、やはり都度都度の笑いも付加される。
ただ如何せん110分程度の尺では、説明不足になる部分がちらほらで
どうにも惜しい。言葉に頼る場面が多すぎ。
どうにも惜しい。言葉に頼る場面が多すぎ。
加えて監督が妙に大仰なカメラワークをするのもやや鼻につく。
しかし何れもが小さな瑕疵。
設定の新奇さと、全体を貫く疾走感とで
最後まで「早く早く!次はどうなるの」との
期待に後押しされる高揚感が止むことはない。
設定の新奇さと、全体を貫く疾走感とで
最後まで「早く早く!次はどうなるの」との
期待に後押しされる高揚感が止むことはない。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。
よって当然のコトながら、二作目以降の制作を激しく希望。
そちらでは本編で語られ尽くされなかった
『矢能』の過去がよりきっちりと描かれるのだろうし。
『矢能』の過去がよりきっちりと描かれるのだろうし。