封切り四日目。
席数89の【シアター9】の入りは八割ほど。

物語りの冒頭は衝撃的だ。
長男が縊死しているところを見つけた母親は
何とか手を施そうとはするも叶わず、気を失い、
次に目覚めた時にはその前後の記憶を全て無くしていた。
何とか手を施そうとはするも叶わず、気を失い、
次に目覚めた時にはその前後の記憶を全て無くしていた。
彼女の容態を気遣う家族は咄嗟に
「長男は引き篭もりを脱し、仕事でアルゼンチンに行っている」と
嘘をつく。
「長男は引き篭もりを脱し、仕事でアルゼンチンに行っている」と
嘘をつく。
傍目には荒唐無稽に感じられる言い逃れも、それが
納得される伏線はちゃんと張られている。
納得される伏線はちゃんと張られている。
で、ここからが真骨頂。
嘘がバレるケースに加えて記憶が突然戻る可能性、
二つの危機が存在するわけだから、それにまつわるすったもんだが
笑劇の展開になるんだろう、と通常なら考えるはず。
二つの危機が存在するわけだから、それにまつわるすったもんだが
笑劇の展開になるんだろう、と通常なら考えるはず。
が、本作はその方向性は採らない。
勿論、笑わせるシーンはそこそこ用意されてはいるものの
ほんの添え物。
ほんの添え物。
残された三人の親族は皆が皆自分を責めて責めまくり
ストーリーはひたすら重く重く沈殿する。
ストーリーはひたすら重く重く沈殿する。
突然、何の予告も無く断ち切られた生に、
あの時こうしていれば、とか
こんなことを言わなければあるいは、などと
たらればを想定し懊悩する。
あの時こうしていれば、とか
こんなことを言わなければあるいは、などと
たらればを想定し懊悩する。
そして家族は緩やかに崩壊に向かうのか
それとも何かを契機に立ち直るのかがサスペンス。
それとも何かを契機に立ち直るのかがサスペンス。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆。
三人とも、時として展開される長廻しに
十二分に対応できていたし。
十二分に対応できていたし。