封切り三日目。
席数172の【SCREEN1】は満員の盛況。
なのに本作に足を運んだのは、偏に予告編の出来が良かったから。
今を時めくイケメンが三人揃っていることなど
ワタクシ的にはなんの関係もない。
ワタクシ的にはなんの関係もない。
映画的な表現は頗るこなれている。
緊迫感を醸す場面でのアップの多用。
多くの登場人物を端的に整理し、エピソードともども
判りやすく見せる筋立て。
判りやすく見せる筋立て。
場面間の繋ぎに、ややの性急さと
挿話毎に厚みが無いことの恨みはあるものの
総じて満足の行く仕上がり。
挿話毎に厚みが無いことの恨みはあるものの
総じて満足の行く仕上がり。
しかしそれとは別に、物語自体が内包する
テーマがずしりと重く、
鑑賞し終わった途端にどっと疲れが出てしまう。
テーマがずしりと重く、
鑑賞し終わった途端にどっと疲れが出てしまう。
なぜなら二時間尺のこの一本の中に
会社組織が包含する矛盾や理不尽がてんこ盛りに詰め込まれているから。
会社組織が包含する矛盾や理不尽がてんこ盛りに詰め込まれているから。
一つ大企業メーカーだけにとどまらず、
中小企業であれ、銀行であれ、警察であれ、お国の機関であれ、
そして社会の木鐸であるはずのメディアであれ、
要は営利や保身のための、或いは会社自体を維持するための
一つの組織体でしかないことが嫌というほどぶちまけられる。
中小企業であれ、銀行であれ、警察であれ、お国の機関であれ、
そして社会の木鐸であるはずのメディアであれ、
要は営利や保身のための、或いは会社自体を維持するための
一つの組織体でしかないことが嫌というほどぶちまけられる。
嫌疑を掛けられた運送会社の社長『赤松(長瀬智也)』が最初に取った態度はどうであったか。
此処での登場人物の多くは、正義よりも
自分を裏切った会社への意趣返し、または、上役を引きずり下ろし
自身がより上位へ昇るための手段として都合よく事件を利用しているだけ。
自分を裏切った会社への意趣返し、または、上役を引きずり下ろし
自身がより上位へ昇るための手段として都合よく事件を利用しているだけ。
それは真実を隠蔽する側も同様で、胸糞が悪くなる。
しかし観ている側はふと最初のテーゼに立ち戻る。
自分ならどうか、と。
自分ならどうか、と。
此処には、おおよそ思いつく限りの労働者の類型が詰め込まれているから。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。
原作を読んだ知人によれば、印象的なエピソードはもっと多量にあり、
それらの殆どが省かれているのは勿体ない。
連続ドラマでやった方が良かったのでは、との感想。
それらの殆どが省かれているのは勿体ない。
連続ドラマでやった方が良かったのでは、との感想。
でもねぇ、現実の事件からインスパイアされた内容は
映像化することで更にリアルに。
映像化することで更にリアルに。
ちょっと考えれば、直ぐにでも実際の企業名が想起できてしまうんだから
スポンサーが付くまいよ、と
思ってしまう。
スポンサーが付くまいよ、と
思ってしまう。
まぁ実際、「WOWOW」はドラマ化しているんだけど。