RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

終わった人@チネチッタ川崎 2018年6月16日(土)

封切り八日目。

席数191の【CINE10】の入りは八割ほど。

客層は高齢の夫婦連れが圧倒的。
次いでやはり高齢の女性で
全体的に男性比は低し。

老いたりとは言え、主演の『舘ひろし』(或いは『黒木瞳』)の人気は
たいしたものと再認識。

もっとも大半が、想定される本作のテーマ
定年後の生活や夫婦関係に興味深々での来館と推察され。


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かく言う自分も、ちょっと前であれば
そんな彼等・彼女等をかなり皮相な目で見ていたわけだが
ぼちぼちとそんなコトは言っていられないお年頃。

趣味ナシ、財力ナシ、知人ナシの三無なので
世に称される「濡れ落ち葉」になるのはほぼほぼ確定的。

その前に身につまされようと足を運んだわけだが・・・・。

いやいやどうにも、思惑と異なったストーリーが展開される。


冒頭から前半1/4くらいまでは、紙誌やテレビでも見知っている
定年後の あるある が展開される。

やることが無くひがな一日を無為に過ごし
遂には自分探しに向かうとゆ~。

決定的に面白いシーンなないにしろ、
くすりと笑える場面は頻出し上々の滑り出し、
この後はどう展開するんだろうと期待を持たせる。


ところが中盤に差し掛かる頃から
お話が変な方向に転がって行く。

ペーソスの欠片も無い、妙にリアルできりきりとしたエピソードの数々。

どうやら本作、お笑い映画ではないらしい。


そしてひと山ふた山あり、物語は大団円で完結する。
夫婦を含めた隣人愛を高らかに歌い上げて。

タイトルとの乖離に暫し唖然としてしまう。

妻に愛され、娘に愛され、親戚に愛され、旧友に愛され、
オマケに社会にまで必要とされている主人公の『田代壮介(舘ひろし)』は
終わった人」では全然ない。

彼を気に掛ける人々が周囲にこんなにも居るのだから
幸せな老後は最初から約束されていたも同然だろう。

このような一本を所謂、羊頭狗肉と言う。

「いや~、良かったよね」などとの好意的な感想を述べている場合では
けしてない。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


オマケにさ、『広末涼子』と良からぬ関係に成りそうなシーンまであるしさ。
妬ましいったらない。