RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

いぬやしき@チネチッタ川崎 2018年5月1日(火)

封切り二週目。

席数107の【CINE1】の入りは四割ほど。


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意図せずに常ならざるチカラを手に入れてしまった時に
人はどのように動くのだろうか。

本作ではその典型例を二つ提示して見せる。


主人公の二人は年齢的にも両極。

片や定年間近の風采の上がらないサラリーマン『犬屋敷壱郎(木梨憲武)』、
片やまだまだ血気盛んな高校生『獅子神皓(佐藤健)』。

前者は会社や家庭では徹底的にパッシング/バッシングされ、後者は世間には無関心、
一方で家族や親しい友人への愛情は人一倍の共通点はある。


その二人が、(たぶん)宇宙人絡みの事故に巻き込まれ、
贖罪の意味だろうか、人ならざる存在に改造されてしまったことから
東京は大混乱を来たす。


その能力を会得する迄の過程も随分と凝っている。

年齢的な順応の差が端的に描かれ面白い。とゆ~か
正直、『壱郎』に近い年齢としてはとっても身につまされる。

直観的に体得することが難しくなってるんだよね。
なので観ていても微苦笑するしかない。


チカラを使う方向性も対極的。

癒しに使おうとするもの
言いようのない鬱憤を晴らそうとするもの。

家庭環境が恵まれないとの境遇は共通でも
チカラを得た時の使い方の方向性が180°異なる。

しかし何れもが愛情に裏打ちされている、との
共通点はあるので、お話はそれほど単純ではない。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


最初は小さな雪玉くらいの感情であったのが、
次第に大きく膨れ上がり社会にも影響を及ぼすようになる。

判り易いエピソードを盛り込み
老いも若きも男子も女子も
何れの側だけに組みすることが難しい造りにはなっている。
唯一、殺人が絡むエピソードを除けば。