RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ダンガル きっと、つよくなる@TOHOシネマズシャンテ 2018年4月21日(土)

封切り三週目に突入。

にもかかわらず席数201の【シャンテ-2】はほぼほぼ満員の盛況。

特に割引の無い週末の昼下がりの回にしては凄いことだし、老若男女
客層も幅広い。中には未就学児を連れた両親もいたりして。


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いや~それにしても、本作の主人公である父娘が
実在の人物であることに先ずは吃驚。

星一徹』を嚆矢とする
自身の子供を使って自分の夢を実現しようとするスポ根オヤジの存在は
日本の専売特許だとばかり思っていたので。


周囲の人物についてはフィクションとの断わりは入るものの
家族や縁者の協力が無ければこんな夢は可能にならないだろうから
それに近しい人々はいたのだろうな、と勝手に想像してしまう。

父親のたっての頼みにより
国際大会での金メダル獲得の夢を諦めた
レスリング選手『マハヴィル(アーミル・カーン)』は自分の子供に夢を託そうとするも
生まれてくるのは女の子ばかり。

しかし、上の二人の姉妹が、同じ年頃の男児
フルボッコにしているのを見るに及び
彼女らの格闘技の才能に気付きスパルタ教育を施す。

それからは、幼い姉妹にとっては受難の日々。

早朝の訓練、食事内容の制限、と思春期の女子にとっては
辛いことばかり。

挙句の果てには、女の命である髪の毛までバッサリ切らせる
とんでもない仕打ち。

しかしある出来事を契機に、父親の本当に気付いた二人は
練習にも身を入れ、大きく成長する。


思い込みの激しい父親を演じた
アーミル・カーン』が素晴らしい。

多分、中年期以降のお腹がたぷたぷした体で撮影した後で
若い頃のビルドアップされた体形に戻したんだろうけど
その労力には頭が下がる。

また、劇中に科白で触れられる、
インド国内での女性の地位向上にしても、
基になった人物の言葉よりも
彼の素直な心情の吐露と考えたい。


くすりと笑えるシーンは少ないものの
物語の中核を成すレスリングの場面の迫力は
相当のもの。
スタンドインを上手く使ってのものだろうが。

加えて、一番のヤマ場では
一つの仕掛けを組み入れることで
観客の義憤や興奮を煽る構成もなかなか。

それが上映された各国での
評判の良さにも繋がっているのだろう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


多くの{マサラムービー}がそうなように、日本での公開にあたっては
本作でもオリジナルからは20分ほど切られた
短尺版のよう。

例によってダンスや歌のミュージカルっぽいシーンとは想定できるも
カットされていないVer.は観ておきたいもの。