RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

北の桜守@チネチッタ川崎 2018年3月21日(水)

封切り十二日目。

席数129の【CINE2】の入りは六割ほど。

吉永小百合』主演作の例に漏れず
客層は高齢夫婦や女性同士が多い。

そしてまた、鑑賞マナーがあまり宜しく無いのも
いつも通り。

電話やメールの着信音はガンガンだし、
話し声も度々。

まぁ二人連れが多いことを差し引いても
機器はねぇ、きちっと手当しておくべきだろう。


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おっといけねぇ、映画のハナシだった。

主演女優の120本目の映画出演作にして
〔北の3部作〕の最終章がウリの文句ながら、
何のタメに三部作と括るのかがさっぱり判らない。

別に二部でも四部でも良さそうで、必然性を全く感じられず、
ただ宣材用にさっと作られた感満載の惹句。


そして前作同様、
吉永小百合』が出ずっぱり。

30代から60代後半までを一人で演じる訳だが
やはり若い時代の表現には無理がある。

いや顔はね、メイクとか映し方でなんとか誤魔化せますよ、
でも身体性はどうしても辛いね。動きにキレが無い。

全編を一人に任せるのは、遠慮なのかリスペクトなのかは知らんけど
少なくとも観客へのサービスにはまるっきりなっていない。
製作者サイドはいい加減、そのことに気づくべき。

劇中、彼女を指して「いい女ですね、やっちゃいましょうよ」と
『菅原信治(佐藤浩市)』が唆される場面があるけれど、
いあやとってもムリって正直思うもん。


作品自体はたぶん{ロードムービー}に分類すれば良いだろうか。

主人公が戦後の混乱期に辿った道を追体験しながら、
彼女の悲痛な過去が明らかになる仕掛けも、
それが『江蓮てつ(吉永小百合)』には何の影響も変化も及ぼさず
単なる説明に堕しており、かなり白けてしまう。

舞台演劇の要素を盛り込んだ演出は斬新だが、
であれば『吉永小百合』の独り芝居でも十分に行けたんじゃ?と
思ってしまうし。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


肝心の悲惨な体験も、おおよそ見当の付く内容で新奇さはないし、
その後の窮乏生活への経緯の説明もないので、何故そんなことに、と
呆気に取られもする。

要は脚本がなってない。


窮乏生活から一代で財を成すのは〔おしん〕と似ているだろう。
でも、こちらは二代掛かっているけど。