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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命@みゆき座 2018年1月3日(水)

封切り三週目。

席数183の標題館の入りは八割ほど。


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日本人が世界に誇れる『杉原千畝』の偉業を嚆矢として
或いは『シンドラー』そして本作の主人公と、
当時のナチスの蛮行に対して異を唱えた人物は
実際多かったのだろう。

少ない人数であれば『アンネ・フランク』の家族を支援した
『ミープ・ヒース』だろうし、
多くの人数であれば先に挙げた人々がそれに当たる訳だ。

戦後七十年を過ぎてなお、この様な
我が身を顧みない無私の行為が
発掘され世に出されることは
それなりに意味のあることだと思う。

ましてや、格差が拡大し
自身の事しか考えない人間が増えて来ていると感じる
イマイマの世相では、洋の東西を問わず尚更。


ワルシャワ動物園」の園長を務めていた夫婦が
その広さや構造を利用し、数百人のユダヤ人を匿い、
叉は脱出させる。

ワルシャワ・ゲットー」から秘密裏に連れ出すことを繰り返す訳だが
回数が多くなれば自然と油断や綻びも出て来るのが常。

どんな危機が訪れ、それをどうやって乗り切るのか、
そして終戦に向け、どういった帰趨になるのかがサスペンス。

が、正直それらは、例え事実だとしても
それ程のインパクトには欠けるもの。

圧倒的な盛り上がりはないまま
物語りは淡々と進んで行く。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


もう一つの軸として
主人公の『アントニーナ(ジェシカ・チャステイン)』が
動物は勿論、隣人、或いは息子や夫に注ぐ柔らかな愛情のカタチがある。

ただそちらの方は、随分と浮世離れした印象さえ受けてしまう。