RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

火花@チネチッタ川崎 2017年11月23日(木)

本日初日。

席数284の【CINE5】の入りは七割ほど。


他人のコトはとやかく言えないが
原作未読で、
漫才師の書いた物語だから笑えるに違いなし
なんて予見で観に来ると、大いに期待を裏切られた気分になる。

漫才の場面は過少でそれも断片的。
爆笑できるようなシーンはほぼほぼ皆無で
時としてくすりとした笑いが起きる程度。

唯一の通しで話される演目は
笑いどころか涙の方を誘ってしまう。


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ベンチャーがIPOやM&Aで成功する確率は
「千三つ」とも「万八」とも言われているけど
お笑いの世界で一旗揚げるのは、似た様な確率?
いやもっと厳しいかも。

一時話題になったとしても長続きせず
一発屋の様に何時の間にか人々の話題から消えて行く。

息が長く続くのはほんの一握り。

それでも成功を夢見て
若者は続々とやって来る。


しかし二年三年と経つうちに、回りからも
一人抜け二人抜け。

自身の才能に疑問を持ち、或いは
世間が判ってくれないと僻んだりもする。

しかし十年も近くなる頃から
自分の身の振り方も考える。

もう若くないのだ、と。


本作では、一人の若者がそうしてあがくさまを、
しかし漫才が好きで好きで堪らない彼のデケイドを
懐かしい日々の記憶として描く。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


そうしてまた新たな若者達が
夢を目指して一歩を踏み出す。

しかし彼等の先に有るかもしれない成功の可否は
先達の多くの脱落者の礎の上に成り立っているのだ。