封切り八日目。
席数531の【SCREEN7】の入りは六割ほど。
ほぼほぼ半裸の美女が大立ち回りを演じ
八面六臂の活躍をするアクションムービー
と書いてしまうと、
本作の実態を見誤ってしまうかもしれない。
八面六臂の活躍をするアクションムービー
と書いてしまうと、
本作の実態を見誤ってしまうかもしれない。
善や悪とはそもそも何なのか?と
テーマ自体はかなり深淵なのだから。
テーマ自体はかなり深淵なのだから。
閉ざされた無垢の孤島から
汚れた世界へと飛び出した少女は、
そもそも人間は救済するに値する生き物なのかと懊悩する。
汚れた世界へと飛び出した少女は、
そもそも人間は救済するに値する生き物なのかと懊悩する。
世界中の諍いは悪神により演出されたもの、との
一方的な思い込みは、
黒幕を排除しさえすれば広汎な平和が訪れるとの短絡的な思想に直結する。
一方的な思い込みは、
黒幕を排除しさえすれば広汎な平和が訪れるとの短絡的な思想に直結する。
しかし、彼女以外の登場人物、或いは観客の側は
世の中の仕組みはそんなに単純でないことを知っている。
世の中の仕組みはそんなに単純でないことを知っている。
なので最初は冷笑しつつ見ているわけだが、
次第にその一途な思い入れに感化されて行く。
次第にその一途な思い入れに感化されて行く。
そして、愛情との表現は陳腐だけれど
人間が持つ微かな美点にほだされることで
主人公は大人の女性へと変容する。
人間が持つ微かな美点にほだされることで
主人公は大人の女性へと変容する。
神話との混淆との似通った手法を使った
〔キング・オブ・エジプト〕とは
格段の出来の差。
〔キング・オブ・エジプト〕とは
格段の出来の差。
文明と邂逅した時のギャップの描写の数々も見所の一つ。
男尊女卑の極みである当時の(あ、今もか)政治状況や
社会情勢を皮肉るシーンは格別で、
ギャグとしてもかなり良く出来ている。
男尊女卑の極みである当時の(あ、今もか)政治状況や
社会情勢を皮肉るシーンは格別で、
ギャグとしてもかなり良く出来ている。
目立たなくするために変装する場面で、
美人は眼鏡を掛けても美人との、
(男性の眼から見たご都合主義的な)昔からの
ボーイ・ミーツ・ガールの約束を根底から覆すエピソードには
特に笑った。
美人は眼鏡を掛けても美人との、
(男性の眼から見たご都合主義的な)昔からの
ボーイ・ミーツ・ガールの約束を根底から覆すエピソードには
特に笑った。
もっとも全ての面で出来が良いかと言えば然にあらずで、
『ダイアナ/ワンダーウーマン(ガル・ガドット)』と人間との戦闘シーンは
そのアクションも斬新で迫力満点なのに、
軍神の『アレス』との対峙では妙におおざっぱになってしまい
興が削がれてしまうのは惜しい。
『ダイアナ/ワンダーウーマン(ガル・ガドット)』と人間との戦闘シーンは
そのアクションも斬新で迫力満点なのに、
軍神の『アレス』との対峙では妙におおざっぱになってしまい
興が削がれてしまうのは惜しい。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。