RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

追憶@TOHOシネマズ日劇 2017年5月14日(日)

封切り九日目。
席数666の【NICHIGEKI-2】の入りは七割ほど。


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好むと好まざるとにかかわらず
幕前の予告編が自動的に目に入って来てしまうので、
鑑賞前から大方の筋立てが頭に入ってしまっている。

親からネグレクトされた三人が
少年時代に共有した秘密とやらも
事前の予想通りで、特に驚く内容ではない。


本作で積み重ねられるエピソードの多くは
テレビの二時間ドラマ等でもお馴染みの既視感があるものの
寄せ集めで、脚本的には、特に優れた点は見当たらない。

もっとも事件の真相については、
予想もしなかった犯人像が提示され、
それだけは意表を突かれたことを、正直に告白しておく。


これだけ手垢の付いたプロットが並べられているのに
人間ドラマとして重厚さを感じてしまうのは
偏に監督の手腕によるものと思えるのと、
やはりそれを表現する映像が特筆モノで、
大きなスクリーンを生かす、奥行きのある構図は
アップが多用される直近の多くの作品とは
異なるテイストで、
ああ、ムカシの映画って、確かにこんなだったかも、と
頭の隅に眠っていた記憶が呼び覚まされた。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


そしてまた、これだけの芸達者が揃うと
余裕をもって観ていられる安心感もある。

役者さんの中では『吉岡秀隆』だけが、他の作品でも
何時も似た様な役回りで、
〔64-ロクヨン-〕の時もこんな感じだったよなぁ、と
あらためて想起される訳だが。