RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

新井卓 Bright was the Morning - ある明るい朝に@横浜市民ギャラリーあざみ野 2017年2月23日(木)

イメージ 1


「川崎市市民ミュージアム」で開催された催しは、
とんだ羊頭狗肉だったけど、
こちらは百点以上が並べられ
ちょっとした回顧展の趣き。

しかも、無料と来ては、その情報を見つけた時には
小躍りし、押取り刀で駆け付ける。

しかし会期は~2月26日(日)が最終日。


平日の午後と言うこともあろうか、館内はそれほどの混雑にはなっておらず
ゆったりと鑑賞できるのも良い。


展示方法自体は先の館と同様、作品に前に立つと灯りが燈る。

焼けない為の工夫だろうけれど、観る時には少々の不便さもある。
館内自体もかなり薄暗いしな。

なので訪問時には、黒い無地の服を着用することを推奨。
それが画面に映り込むので、かなり観やすくなる。


そして、その技法の特性上、
左右が反転した像を我々は観ることになる。

看板の文字は許容も、知っている人物が映っている時は
ちょっとした違和感を感じることになる。

例えば『柳美里』が写った一枚。

一瞬、これ誰?と思ってしまったほど。


中には、スナップの様に
日常を記録した連作の一角がある。

一枚を撮るだけでも数分を要し、
しかも失敗する確率も高く、撮り直しがきかない訳だから
凄い継続力と感心する。


イベントタイトルはそれだけで原爆を想起させる。

ニューメキシコ州での「トリニティ実験」の日も
ヒロシマ」の日も、おそらくそうだったろう。

そうした遺産を撮った作品と共に
「3.11」関連についても多くが並んでいる。

それらはほんの六年前の記録なのに
随分と古びて見えるのが不思議で、
父母のアルバムの中にセピアのそれを見つけてしまった様な
不思議な感慨。


一方で、将来に希望を持たせるような
少年少女をとらえた一群もある。

長時間を不動の姿勢でいるコトを強いられるため
ちょっと緊張気味に見えるのは微笑ましい。


観るのに時間も掛かるけど、満足度は高い。



加えて二階の【展示室2】では
〔写真-時間の位相〕と題されたコレクション展も開催されている。

こちらは機材の進化と共に
撮られる写真がどのように変遷したのかを
技術的な側面も加味し時系列に並べたもの。

本展も随分と楽しい。
特に昔に撮られた一枚を観るのは。

会期はやはり~2月26日(日)まで