RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ぼくは明日、昨日のきみとデートする@チネチッタ川崎 2016年12月23日(金)

封切り七日目。

席数129の【CINE 2】の入りは八割ほど。


そのタイトル、或いは予告編を見た限りでは、
これって『とり・みき』の〔カットバック〕のアレンジじゃね?
と思った(ちなみに〔山の音〕収録)のだが・・・・、

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実際はそれよりも、更に一捻り
二捻りが利かせてあり、かなり新しいタイプの設定。

ではあるものの、〔ある日どこかで〕でもあった様な
鍵となるアイテムについてのタイムパラドックス的な違和感は
どうしても付いて回り、それをすんなりと受け入れられるか否かが
ストーリーに没入する分かれ目に。

ちなみに自分は後者だったため、
多くの周囲の人が啜り泣き状態だったのに比して、
そこまでの感慨は湧かず仕舞い。


ではあるものの、映像作品としては頗る良く出来ていて
流石はこ~いった青春モノを撮らせたらぴか一の手腕を持つ『三木孝浩』、
本作でもそれをいかんなく発揮している。


先ずは女優の使い方が巧い。

溺れるナイフ〕ではあれほど疑問符だらけだった『小松菜奈』が
随分と生き生きとしている。

尤もそれは、主人公が自分の実年齢と
同じ設定なのも背景にあるかもしれない。


そして、今までの語り口の全てが「彼」の側からであったのを、
「彼女」の側からの描写に反芻して見せることの手際の良さ。

これにより、我々が観て来たものの
全く異なる側面を体験することになるのだが、
感情移入できなかった幾つもの挿話に対して
同じエピソードでも、語り手が変ると、これ程違った感慨を受けるのかと、
改めて思う。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


一組の男女の出会いと別れが
どうしても抗えない運命に翻弄されてしまうコトの悲しさの要因を
例えば戦争であったり、或いは難病であったりとするのは、
最早手垢が付き、著しくありきたり。

それを、また新しい角度から見せてくれた原作の
斬新さは称賛に値する。

でも、やっぱり不自然さは付き纏っちゃうんだけどね。