RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

海賊とよばれた男@109シネマズ川崎 2016年12月19日(月)

封切り十日目。

席数121の【シアター3】は九割方の入り。


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実在の人物『出光佐三』をモデルにした本作は
百田尚樹』×『山崎貴』×『岡田准一』の布陣による二作目。

前作の〔永遠の0〕はいたく感銘を受けたけど
今回はちょっとがっかり。
二匹目の泥鰌は居なかった印象。

なんとなれば幾つもの
ストーリーテリング上の不満が有るから。

例えば、実際は世界を股に掛けた大掛かりなハナシである筈なのに
随分と小さい範囲で収まってしまっている。

または、主人公と敵対する相手が
同じパターンが繰り返されるため、またかよ、と
飽きが来てしまう。

もっとも鼻に付くのが
手放し近い主人公礼賛で、実際にこんな人物が居たら
周囲のコンペチターからすれば
疎ましく思うのはむべなるかな。


確かに『国岡鐵造(岡田准一)』が繰り出す施策の数々は、
イマドキの言葉ではまさにイノベーション

一世の風雲児であることに違いは無い。

しかし、その描写があまりにちんまりとしており
「海賊」と呼ばれるに到った経緯も含め
あまりにも小っちゃい。


加えて最初の妻『ユキ(綾瀬はるか)』とのエピソードも
取って付けたようで、最後のシークエンスなどは
無くても全然問題無いし。

綾瀬はるか』の出番が少ないのも
その不満を助長している。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


語り口からは
日本が戦争に突き進んだ「ABCD包囲網」の裏には
セブン・シスターズ」の陰謀が有ったのだ、
みたいなトンデモ論を言い出しそうで、凄く怖いと思った。