RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ぼくのおじさん@チネチッタ川崎 2016年11月23日(水)

封切り三週目。

席数244の【CINE7】の入りは六割ほど。


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北杜夫』原作で劇中の「おじさん」のモデルは本人だと言う。

なるほどねぇ。

一番最初に読んだのは〔どくとるマンボウ航海記〕で
以降〔昆虫記〕も含め、そのシリーズ、
小説も〔幽霊〕〔夜と霧の隅で〕〔楡家の人びと〕と読んでいるけど
特にエッセイに描かれている彼自身の茫洋とした姿に
酷似している気がするもの。


屁理屈をこねくり回すくせに、時として子供にすら論破される。
プライドだけは妙に高いのに、性格は自堕落で何をするにもずぼら。

しかし、どこか憎めない側面があるので
周囲の人は何かと気にかける。

松田龍平』演じる「おじさん」の愛すべきとぼけたキャラと
回りとの会話の妙だけで二時間を見せ切ってしまう。

主線となる出来事もそう印象的なものではなく、
ありきたりのプロットなのだから、ある意味
監督の凄い力技なのかもしれない。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


それにしても
味園ユニバース〕や〔苦役列車〕や〔マイ・バック・ページ〕を撮ったのと
同じ監督の作品かい、と
ちょっと驚きつつ観てしまった。

もっとも〔もらとりあむタマ子〕に近いティストは有るんだが
悪く言うと毒にも薬にもならない作品に仕上がっている。

裏を返せば、誰でも安心して鑑賞できるってことで、
実際、小学校低学年の女子を連れたお母さんも来ていたし。