RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ニュースの真相@TOHOシネマズシャンテ 2016年8月14日(日)

封切り十日目。

席数224の【CHANTER-1】は満員。


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覚えてる、覚えてる、
ブッシュ・ジュニア』のベトナム戦争時の兵役逃れと
軍歴詐称疑惑。

そして〔60 Minutes〕の『ダン・ラザー』の名前も。

しかし、本作を観るまで、この二つが
こういった結びつきをしていたのは
寡聞にして知らなかった。

降板の背景は、こ~ゆ~ことだったのね。


最近流行の内幕モノ。
しかも主要登場人物は何れも存命。
事件があったのもほんの十年前のこと。

例によって良く映画化したな、と
感心する。


もっとも、本編には原作が。
主人公の女性ジャーナリスト『メアリー・メイプス』自身が
事の次第を書き下ろしたもの。

なのでどうしても視点の偏りがあるのは
止むを得ない。

ただ、証拠の信憑性について
十分に検証をしたのか、
そこに先入観は無かったのか、という点では
自戒も込めてであろう、フラットな態度で臨んでいるのは立派。


映画の見所は、
生半可な知識で断定をし、事態を混乱(意図的に、かも?)させる
ブロガー達により主要な論点
(ホントに兵役逃れをしたのか)が次第に雲消霧散させられるさま。

加えて『CBS』も、保身のため蜥蜴の尻尾切りをする。
我々は観ていて義憤にかられるし、こういった出来事は
彼の国でも同様なのだと改めて認識する。

と、同時に、アメリカでの特権階級への富の偏在や利権の集中は、
耳目で得られる情報以上に激しい格差なのかもしれないとも思う。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


「溺れる犬は石もて打て」との諺があるように、
レームダック」状態の主人公に対して
世間は容赦無い指弾を浴びせる。
あまつさえ身内ですら、なのだが、
そこから彼女がどのように這い上がって行くのか。

観客はその過程に光明を見るだろうか。

全てをひっくるめて、本作の余韻と
感じ取る訳だけど。