RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

秘密 THE TOP SECRET@チネチッタ川崎 2016年8月7日(日)

封切り二日目。

席数290の【CINE4】の入りは三割ほど。


予告編からしてダメダメな気配が濃厚。
通常であれば、まず行かない類の作品なのに、
ディスカウンターで前売り券が780円で売られているのを発見。

交通費込みでも千円程度だし、
これなら後で噛む臍も軽微だろうと。

なので、この席の埋まり具合は
正直、意外(に多い)。


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観終わって帰宅すると同時に
本作の元ネタになった二つの作品を改めて読み返す。

ディテールをほど良く忘却していたので、
映像として観た時には、それなりの新鮮さはあった。

ではあるものの、果たしてこの二作を
くっつけることが妥当であったかどうか。

緻密に組み立てられた『清水玲子』の世界観が
その部分を中心にギクシャクし、
どうにも納まりの悪い流れになってしまっている。

150分の尺を使いながらも、
原作の再現性の面では、二歩も三歩も
後塵を拝している。


そして、それに合わせるためと想定される、
幾つかの設定変更が成されている。

最初は何の為に?と訝ったが、
その内に、ははぁ、こう展開したかったのね、と。
理解はするが、それで得心が行くかは、また別モノ。

「第九」のキモである「MRI捜査」の根幹に係わる
仕様の異なりもあり、どうにも違和感が拭えない。


しかし一番の違和感は、主要な登場人物二人の造形。

『薪剛』は外見も人物像も納得感なく
『青木一行』については、それに輪を掛けてヒドイもの。

なまじ周囲のメンバーが比較的
上手く再現できているだけに、余計に浮いて感じてしまうのだろう。

あ、あとそれは『貝沼清孝』にしても同様かもしれない。
足を引きずっている人間が、殺人の時だけ
なんであんなに俊敏になるんだよ、と
思わずひとりごちてしまった。


評価は、☆五点満点で☆☆☆。


各所での不整合を糊塗するためだろうか
わけのわからない人物を登場させたり
ありえない行動をとらせたりと
却って滅裂さ加減が増幅してしまい
都度都度失笑する。

いくらフィクションでも限度ってもんがあるわね。