RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ@TOHOシネマズ錦糸町 2016年6月25日(土)

本日初日。

席数450の【SCREEN2】の入りは六割ほど。

中には幼子を連れたお母さんの姿もあり
いったい誰のファンなんだと誰何したくなる。


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修学旅行中のバス事故で亡くなり
何のはずみか地獄に堕ちてしまった『大助(神木隆之介)』。
そこから抜け出し、憬れの女子に再会するため奮闘する
との大筋はあるものの、まともなストーリーは無いも同然。


エピソード間や科白間の整合性は場当たり的、
さっき言ってたことと違うじゃん
と思えるシーンは多数。

それでも一本道の疾走感があれば、さほど感じないんだろうけど
もう一つのモチーフがそれを邪魔する。
所謂「ロック」。

いや、もしかすると、こちらこそが主旋律で、
やりたかったコトの本筋。先のストーリーが添え物なのかもしれない。


象徴的なシーンは『Char』と『野村義男』のギターバトル。
これって監督本人が見たかっただけでしょ、多分。

それ以外の故有名ギタリストの幾つかのシークエンスを含め
自己満足そのもの。

特に『ジミ・ヘンドリックス』の左利きの挿話と
それから繋がる各ギタリストの特徴あるプレイスタイル披露の場面ね。


思わぬ展開と、それらしい伏線もまぶされてはいるけれど、
アナグラムは作った本人には簡単でも、解く方は難しい、を
地で行く類い。
納得感があることだけは救い。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


標題館中最大キャパの劇場の使用は
それだけ期待の大きさの表れだと思うけど
正直、さほどの面白さは無かった。

勿論、何時もながらの『クドカン』ワールドは全開。
得意の畳掛ける科白廻しに独特の間、そして繰り返しのギャグ
意表を突くシーンとたっぷり盛り込まれている。

意図的なチープなセットも許容。
その分、豪華出演陣に回ったんだろうし。


しかし、自分の趣味に走り過ぎたきらいがあり、
好きなように撮ったらこんな怪作に仕上がりました、みたいな。

彼の戯曲や映画でも、脚本だけの担当とは異なり
監督までこなした作品は出来が宜しくないモノが多く
本作もその範疇かと。