RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

10 クローバーフィールド・レーン@TOHOシネマズ六本木ヒルズ 2016年6月24日(金)

封切り七日目。

席数101の【SCREEN4】の入りは二割ほど。


イメージ 1



ちょっと映画を観ている人ならば
八年ほど前に
やはり『J・J・エイブラムス』製作の
似通ったタイトルの一本
クローバーフィールド/HAKAISHA〕が
公開されたことを思い出すに違いない。

実はその時点で製作者サイドの仕掛けた罠に
嵌ってしまっているんだけどね。


恋人『ベン』との諍いで
衝動的に家を飛び出した『ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)』は
車を走らせていた田舎道で衝突事故に遭い意識を失う。

目を覚ましたのは、殺風景な一室。

病院でもないのに治療が施され、
現われた男は『ハワード(ジョン・グッドマン)』と名乗り、自分が彼女を救ったのだとも言う。

此処から出して呉れる様懇願する『ミシェル』に対し
外はカタストロフィー的状況になっており
このシェルターから出ることは即ち死を意味すると冷たく告げる。

彼の説だけであれば信憑性に欠けるのだが
シェルター内に居るもう一人の人物『エメット(ジョン・ギャラガー・Jr)』も
『ハワード』の言葉を肯定する。

それからは一見して、平穏なしかし奇妙な
三人の共同生活が始まる。


ここまでの流れは、直近の〔ルーム〕を彷彿とさせる。

また『ミシェル』が最初試みる脱出の為の手段の数々は
彼女が行動的であり、更に頭も切れる女性であることの描写になっており
これが後々の展開を不自然に感じさせない優れた挿話として機能している。


幾日かを共に過ごすうちに、
『ハワード』の言い分を裏付ける事象が起き、しかし
一方で 彼が実はサイコパスなのではないかと、
これらは全て仕組まれたことではないかと疑念を生じさせる
物証も発見される。

事態は二転三転し予断を許さない。
ぴりぴりした緊張感が続く優れた脚本。

我々はなまじ先の作品を知っているものだから
主人公以上に混乱してしまう。
外では地球外生物による侵攻が始まってるんじゃないか、と。
ホントの要素は一体どこに有るんだと。


そしてあるコトを契機に物語は一気に終盤になだれ込むが
ここでがらりと様相が変ってしまうのは凄いチカラ技。

正直、呆気にとられてしまった。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


類似のテーマを扱った〔SUPER8/スーパーエイト〕にしろ
J・J・エイブラムス』はこの手の作品の造り方が滅法巧い。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒〕は
なんであんなコトになっちゃったんだろうと
残念で仕方無い。