RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

64-ロクヨン-後編@109シネマズ二子玉川 2016年6月19日(日)

封切り九日目。

席数386の【シアター3】の入りは九割ほど。
ぽつぽつと空き席が散見される程度。


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竜頭蛇尾に終わる二部作・三部作が多い今日この頃
(最新の〔ちはやふる〕は別にして)、
珍しく〔後編〕の方が盛り上がった一本。

ではあるものの、前・後編合わせて240分の尺は
もっと上手くつまめば180分程度の一本に納まったんじゃないの?
劇場の事由とか、配給側の都合とか
大人の事情は諸々あるんだろうけど、
あまり観客の側を向いていない気がする。


導入部となる前編で幾つかの事件が提起され
その解決編となる後編では、
当然多くの謎解きがされ、殆どは寛解に向かう。

そこで改めて気付かされたのは、
前回「本筋にあまり関係のなさそうなサイドストーリー」と
切って捨てた幾つかのエピソードが実は重要な
いや、有り体に言ってしまうと、事件を複雑化させた要因でもあり
一方で解決に導くファクターでもあったこと。

正直、このような遠回りをするような伏線の張り方は
予想もしなかったし、種明かしをされればもうびっくりで、
原作者の『横山秀夫』はホントに上手く造り込んだものだと
感心することしきり。

一方で、当時の杜撰な捜査とは相反して
平成十年代の県警は、妙に先読みが鋭く
無能さの片鱗もないところに違和感を感じたりもする。


組織の中でのヒエラルキー、或いは首都圏と地方の関係性は
なにも官僚機構に限ったわけではなく
メディアの側でも厳然と存在することが皮肉交じりに描かれたりもし、
最初のうちは何のことやら判らなかったけど、
次第に義憤さえも覚えるようになる。

まぁこれも会社組織とは須らくそうなのよと、
自嘲にも似た響きにも聞こえる。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


親子の情が一つのテーマであり、
主人公をはじめ登場する幾組かの夫婦は
子供のために奔走する。

でも子にしてみれば、
それ程親のことを思っちゃぁいないんじゃないかな。