RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ヒメアノ~ル@TOHOシネマズ日本橋 2016年6月1日(水)

封切り五日目。

席数110の【SCREEN2】の入りは八割ほど。


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少し前に見た情景を思い出した。

複数羽の烏が薄茶色の鳥を追いまわしている。
しかし、追われている方は大きさといい形といい
烏にしか見えない。

どうやらアルビノらしく、自分達とは異なる姿の鳥を
追い払っているよう。

一方、追われている方は、なぜに自分が攻撃されるのかが判らない。
だって自身の姿は認識できないから。


こういった、異質なものを集団から排除する行為は
獣の世界ではありがちなんだろう。

でも、理性のある人間ならば、本来は違う筈じゃないのか。


イジメは何がなんでも、あってはならないコト。

どちらかと言えば受ける側だった自分は
なおのことそう思う。

しかし、直近のそれは更に陰湿なものになっているようだ。
面白半分であったり、自分のフラストレーションをぶつける為であったり。

加害者の側は忘れてしまうかもしれないが、
受けた側は些細なことまで忘れることはできない。

ココロの中にわだかまったまま、折にふれ思い出し
やるせない気持ちにさいなまれてしまう。



本編の前半は、ありがちなストーリー。

友人同士の男二人と女一人の三角関係。

男の方の片割れは、ヤヤ偏執っぽく
キモさも漂わせているけどないハナシじゃあない。

それとは別に、女の方をストーキングしている
もう一人の男が居る。

それが、女と結ばれる男と
高校の同級生だったことから、事態は思わぬ方向に転がって行く。


要は後半からは、全く異なる性質の物語が展開され
映画の建て付けも、そのことを意識させる表現になっている。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


『岡田』を演じる『濱田岳』は何時も通り。
素なのかなんなのか、気が弱くシャイで
しかし、以前は仲の良かった『森田』を
イジメから守れなかった後ろめたさも負い目とし、
なんとなくオドオドした空気の醸し方も上々。


高校の時に受けたイジメが契機になりシリアルキラーに変貌する
『森田』を『V6』の『森田剛』が好演。

エロありグロありの衝撃的な役柄を
本来であれば素直な良い子であった影を残しながら
自然になり切っている。


しかし、全てが終わっても
当然のことながら観客の心は晴れない。

残されたモノにとっては
苦い味の日々がこれからも続くのだろうから。