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原安三郎コレクション 広重ビビッド@サントリー美術館 2016年5月8日(日)

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一般の入場料は1,300円だが招待券を頂いた。
会期は~6月12日(日)まで

大型連休の最終日だし、天気は良いしで
混み具合を懸念しながらの訪問だったけど
思いの外、フラストレーションなく観られた。

空いている、との表現は当たらず、
ショーケースの人の居ない場所にさっと入り込み、
一時間半程度で全体を漏れなく拝見できるくらいのペース。


そして、自分としては珍しく
書かれているキャプションも丁寧に観ながらの鑑賞。


後半部で展示されている〔名所江戸百景〕は過去
全揃いを観たコトがあるけど、やはり注釈と照らしながらでは
今まで気付かなかった発見もある。


前半部の〔六十余州名所図会〕は初めて。
大胆なデフォルメ、逆に省略、構図の変更など
作者らしい豪快さと細やかさの同衾が其処彼処に見られる。

特に〔美作 山伏谷〕での風の描写などは
凄すぎて脚が停まってしまった。

また、土地なりの風物詩や風俗などもさりげなく盛り込む手練れは
たいしたものと唸ってしまう。


嬉しい余禄は『葛飾北斎』の〔千絵の海〕
全十図揃い。
個別には数点は観た記憶があるけれど、
当然、揃いものとしては初めて。


それ以外にも〔名所絵の名品〕として
北斎』であれば〔冨嶽三十六景〕から〔凱風快晴〕や〔神奈川沖浪裏〕、
『広重』の〔東海道五拾三次之内〕から〔日本橋〕〔蒲原宿〕と
何れも逸品が並ぶ。

これらが何れも個人のコレクションであることは驚きだし、
こういった浮世絵をあまり観ていない人も
逆に観込んでいる人も満足できる構成は素晴らしいと思う。