RollingStoneGathersNoMoss文化部

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64-ロクヨン-前編@TOHOシネマズ川崎 2016年5月7日(土)

本日初日。

席数240の【SCREEN1】はほぼ満員の盛況。


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原作は未読だが、本編自体は
随分と重厚なドラマとなっている。

登場人物の多さからも
それはうかがえるのだが、
唐突に名前が出てきたりして
キャッチアップするのに骨が折れる怨みはある。

もう一つは、警察組織そのもののヒエラルキー
部署間でも優劣(あまり良い表現ではないけど)があるようで
加えて登場人物間の序列がどうなっているのか
さっぱり検討が付かない。

尤も主人公である『三上(佐藤浩市)』は諸般の理由で
一段低く見られていることだけは理解できる。


で肝心の「64」。
昭和最後の年、天皇崩御と共に幼女誘拐事件が起こり
平成への改元と共に、他殺体が発見される最悪の結末を迎える。

しかもこの間メディアが皇室関連一色に染まってしまったため、
十分な報道もなされず、もし違うタイミングであれば、と
忸怩たる思いを持ち続けている往時の関係者も居る。


ところが、
この物語の主題であるハズの身代金目的の幼女誘拐殺人事件そのものについては
冒頭さらりと触れられるだけで、
残りの時間は一見関係がないようにも見える
サイドストーリーの描写にほぼ終始する。

そこで語られるのは、官僚としての警察組織そのもの。
部署ぐるみの隠蔽、中央と地方の軋轢、或いは幹部と現場の相克。

〔踊る〕シリーズではやや皮相な視点であったのが
ここでは義憤さえ覚えるほどの演出。


しかし、それは判った。この先どうなるのよ?
と思い始めた矢先に新たな犯罪が発生する。

そして、終映間際に挿入される〔後編〕の予告も相俟って、
今まで見せられていたものが、全て伏線であり
のちのストーリーへと繋がる長舌なエピソードの積み重ねであったことが判る。

ある意味、凄い。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


と言うことで、〔後編〕への掴みはばっちり。
併行して語られた、それ以外の事件についても
どのように落とし前をつけてくれるのか
楽しみでしょうがない。