RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

追憶の森@TOHOシネマズ新宿 2016年5月5日(木)

封切り七日目。

席数73と極少の【SCREEN12】の入りは満員。

客層は高齢に振れているんだが
隣に座った夫婦連れが上映中に喋る喋る。

奥さんが主導し、旦那さんがたしなめるどころか
追随するんだから始末に負えない。
結局、一向に止まずに最後まで続く。

上映前の告知は何の為なのか、
幼稚園児並みだな、と呆れてしまう。


おっといけねぇ、映画のハナシだった。
つい興奮してしまった。

こ~ゆ~コトが有ると集中できないのが辛い。


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樹海に伴う種々の噂は
殆どが俗説らしいけれど、本作ではそれらを
全てホントのこととして映像化、
加えて、日本にそんな言い伝え有ったっけ?と思う内容も
都合よく取り込んでいる。


それにしても『青木ヶ原』、海外にも
自殺の名所として有名なのか。

富士山の霊性も相俟って、外国人にも
何かを感じさせる要素が有るんだろうか。

その様に思わせる幾つかの描写がある。
死に場所を求めて、わざわざ此処まで来るのかなぁ。


そういった特異な場所で二人の男が出会う。

一人はアメリカ人の『アーサー(マシュー・マコノヒー)』、
もう一人は日本人の『なかむらたくみ(渡辺謙)』。

『アーサー』がこの場所に来たのは、明快な目的があるけど
『なかむら』の方は動機も来歴も判然としない。

たまさかの道行となるのだが、
これはカタチを変えたロードムービーかと思い出すやいなや
サバイバルの要素や、おまけに死体までもが
ごろごろと転がり出す。

なんか凄い方向に進んでしまいそうだ。


しかし最終的には、比較的判り易いオチが用意されている。

それは何があっても生に執着すべきことへのエール。

それを表現するために、日本的な要素の使用を
外国人の監督からされるのは正直驚きだったけど。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


その様な背景もあってか
「IMDb」での評価は5.4と
極めて宜しくない。
評価者の数も現時点で598人と過少だし。

やはりこれは日本人に向けての
日本人なら理解し易いメッセージなんだろう。