RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

僕だけがいない街@109シネマズ川崎 2016年3月19日(土)

本日初日。

席数246の【シアター1】は満員の盛況。


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日常の何気ない場面が、何の前ぶれも無く繰り返される。
主人公である『藤沼悟(藤原竜也)』はそれを「リバイバル」と呼ぶ。
ネーミングのセンスに伴う違和感はさて置き、
それは何らかの事件が自分の周囲に起きている兆し。

自分若しくは他の人の行動により
それが未然に防がれるまでは、何度も同じコトが繰り返す。

勿論、直近の〔オール・ユー・ニード・イズ・キル〕同様、
「RPG」のミッションコンプリートまでは
何度もリトライすることの変形。


それはさておき、彼はその事象を
既に何回も体験した、当たり前のこととして表現する。

確かに、この尺の関係では、それらの初回まで遡っていては
描写しきれなかったろう。

なので、観客の側も、自明のこととして受け入れる必要がある。


しかし実際はこの「リバイバル」、かなり変な事象で、
裏にはちゃっかり正解が用意されており、正答以外が出された時に限り
やり直しの必要がある。

中途、紆余曲折は有っても実は一本道。

半径数メートルで起きる
非常に身勝手なハナシなんだが、
そのことにより、未来が変わることも
ちゃっかり提示されはする。


自身の母親の『佐知子(石田ゆり子)』が何者かに殺害され、
途端に『悟』は十八年前、小学生の頃に巻き戻される。

そこで起きた事件を解決しないと、
元の時代には戻れないし、母親を救うこともできない。


このきっかけの部分は、実はかなり上手く出来ている。
別々の出来事で起こった「リバイバル」が、
ちゃんと起・承・転の役割を持ち
物語の骨法をキチンと押さえた組み立てになっている。

しかし、全体として見た場合、
看過できない大小の穴が幾つかある。
それは、良く言われる、タイムパラドクスやパラレルワールド
等のエクスキューズを勘案しても、かなりのムリさ加減。

一例として、実は中身は大人のハズなのに
小学五年生の『悟』のまんまになってしまう一連のシークエンスを挙げておく。
これは相当の違和感。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


いや~、でも『鈴木梨央』ちゃん、いいわ~。
他の子役と比しても、一頭抜けてるし。
「ポカリ飲まなきゃ」の頃から気になっていて、
〔あさが来た〕ではちょっと首を傾げたけど、
本作では充実の演技。

可愛さも際立っているし
今後も楽しみ~。