RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

セーラー服と機関銃-卒業-@109シネマズ川崎 2016年3月10日(木)

封切り六日目。

席数121の【シアター3】の入りは十人ちょっと。
しかもその九割方が(自分を含めて)おっさんで、
朝イチの回だと言うのに、最早ビールを嗜んでいる人もおり、
ホントにイイのか、この客層で。


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先代の『星泉』演じた『薬師丸ひろ子』の
アイドルとしての頂点が〔セーラー服と機関銃〕だったのは論を待たないわけで
相米慎二』という異才とのコラボも相俟って
主題歌はヒットし、本編の興行も上々、加えて批評家の評価もまずまずと
三拍子以上揃った極めて珍しい作品になったわけだが、
次々作の〔探偵物語〕の撮影現場をたまたま見る機会があり、
その時の彼女の容姿に、著しく驚いたことを思い出した。

実物は顔が大きく、お尻もおっきい。
三次元で見るのと、二次元で定着された画面の
あまりの差に、確か『ドヌーヴ』も
同じことを言われてたよなぁ、との記憶も甦る。

で、『橋本環奈』。顔がおっきく
カラダもアンバランス。素晴らしい。

タイトルは「卒業」だけど、本作こそが
彼女にとっての本格的な出発点になるだろうし、
正統としての「アイドル」を継ぐ者に間違いないだろう。


加えて、更に驚いたのは
キチンと演技ができて表情も造れて、歌も唄えているじゃないか。

「奇跡の一枚」で有名になりはしたけど、
直ぐに終わコン化しなかったのは
それなりのバックボーンがあったから、と言うのがよく判った。


オハナシの筋は典型的な巻き込まれ型。

組を解散させ、比較的平穏に暮らしているのに
周囲が次第にかまびすしくなり、
正義が踏みにじられ、
最後には怒りが爆発する。

女子高生が主人公でなければ、
まったき「仁侠映画」の世界。


そんな中で、監督は『橋本環奈』を可愛く撮ろうと腐心し、
アップも多用する。

そしてもう一つ、
相米』のかなり実験的な映像を踏襲するつもりなのか
画面はゆらゆらと手持ちカメラの様に動く。

不安定さの表出かもしれないけど
これは賛否でるんじゃないか。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


彼女の、ちょっとハスキーな声質には
正直、戸惑った。

アイドルではあるものの、出演作は
かなり絞られてしまうかも。