RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

キャロル@TOHOシネマズみゆき座 2016年2月14日(日)

封切り四日目。

席数183の標題館の入りは八割ほど。
客層は女性の比率が多い様に感じられる。


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世間で一番始末が悪いのは
自分の魅力が何処に有って、そのアピールの仕方を知っている人間。

多くは、その片方か両方が欠けており、
それが表面的な自信の無さに繋がって行く。


本作の二人の女性の主人公は、まさにその典型。

特に『キャロル』を演じた『ケイト・ブランシェット』は
登場の瞬間から威風は辺りを払う。

まさしく前者の側の人間。


一方、観客同様、『キャロル』に目を奪われてしまうのは
ルーニー・マーラ』演じる『テレーズ』。

そして二人は1950年代であればこそ、道ならない恋に落ちて行く。


観終わって、今何故この作品なんだろうと改めて考える。
パトリシア・ハイスミス』が別名で出版してから六十年が経っている。

LGBTの理解が進んだためだろうか。
でもゲイの映画なら「アカデミー賞」を複数獲った
〔ブロークバック・マウンテン〕のような作品もあるし。

殊更、それが喧伝される必然性を感じないんだが・・・・・。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


それにしても『ケイト・ブランシェット』の存在感が
とことん素晴らしい。

ブルージャスミン〕でもそうだったけど、立っているだけで
ハイソサエティな香りがぷんぷんと漂って来る。


もう一方の『ルーニー・マーラ』にしてもそれは同様。
ドラゴン・タトゥーの女〕では変さが足りないと思ったけど、
本作では次第にソフィスティケートされ
『ヘプバーン』にも似たコケティッシュさを纏う娘を体現する
素晴らしい演技だ。