RollingStoneGathersNoMoss文化部

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俳優 亀岡拓次@TOHOシネマズ錦糸町 2016年2月6日(土)

封切り八日目。

席数172の【SCREEN1】の入りは五割ほど。


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俳優『安田顕』と言えば、実際かなり整った顔立ちをしているのに、
〔HK 変態仮面〕〔小川町セレナーデ〕〔みんな!エスパーだよ!〕などの作品群では
良く言えばエキセントリックな、有り体に言えば、相当恥ずかしい役柄を
しれっと演じていることで記憶に残っている。

そんな彼を主役に据え、しかし設定上は脇役をやらせる、
ちょっと捻りの効いたタイプの一作。


しかし、脇役と言えども、一筋縄ではいかないところが
オハナシのミソ。

監督からの直々の指名は勿論のこと
度々見せる、所謂 ネ申 演技のため、
キセキの脇役として扱われている設定は何とも面白い。


ロケ先の、ふらりと立ち入った居酒屋で
厨房を手伝っている出戻りの娘『安曇(麻生久美子)』に勝手な思いを寄せる
これが物語の縦糸。
一方、横糸となるのは映画や舞台の作成現場の描写で、
本編の大方はこれに費やされる。


ただ此処こそが、本来は脇役である筈の『亀岡拓次』が
主人公として輝くシーンの数々。

山崎努』『三田佳子』、
若手では『新井浩文』『染谷将太』と言った人達を監督役に迎え入れ、
その下で堂々の演技をさせているんだから。

この一連のシークエンスが、どんな配役にも違和感なく溶け込めてしまう
脇役専科俳優の面目躍如たるところ。

それをするっとやり切ってしまうんだから
安田顕』、なんだかんだ言って、たいしたものだ。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


ではあるけれど、映画として面白いかと言えば
それはまた別モノ。

横糸となるエピソードがあまりに多いため、
コメディにもなり切れない
ラブロマンスでもない、
かなり中途半端な一本になってしまった。

折角、原作と俳優の、二つの良い素材を得たのに、
監督と脚本で生かし切れてないのが至極残念。