RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

MOTコレクション@東京都現代美術館 2016年1月2日(土)

2日・3日は恒例の
常設展無料の日。

今年はどんな作品がタダ観できるんだろうと、
ウキウキと足を運べば・・・・、
うわ、結構混んでいる。

しかも外人さんの比率が高く、
七割方そうではないか。

ど~ゆ~ネットワークで仕込んだ情報なんだろ。

意図せずに迷い込んだ風の邦人に比して、
明らかに確信的な訪問に見え、
そのルートを、是非聞いてみたいもんだ。


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展示は大きく二つに分かれ
三階の「第1部」は”戦後美術クローズアップ”、
一階は「第2部」で”フランシス・アリスと4つの部屋”、
アトリウムでは新作の〔without records - mot ver. 2015〕。


「第1部」の方は、過去に見た作品も多く、
どちらかと言えば「第2部」の方を面白く見せて貰った。

勿論、こちらでも知った名前・技法は多く、
例えば『豊嶋康子』の「鉛筆」を素材に使ったシリーズ。

それでも今回、「定規」を使った作品は初見で、
雲形定規は当然のこととしても、
本来はきちっとメジャリングをする目的で作られたものが
熱で変形させられ、あられもないフォルムに加工されたのを目にした時には、
可笑しいやら、可哀想やらで、もう。

同じ作者で〔振込み〕と題して、金融機関のATMでの「振込みカード」を
各種100枚も整然と並べた作品を目にした時は、記録フェチの血が騒いで
仕方がなかった。


同様に記録と言えば『ガブリエル・オロスコ』の
〔搭乗券(パリ-マラケシュ)〕〔搭乗券(ロンドン-マンチェスター)〕にも
類似の感慨を持つ。


そして”アトリウム・プロジェクト”と題された
大友良英+青山泰知+伊藤隆之』のコラボレーションによる新作が
滅法良い。

広いスペースには百台近い中古のポータブルレコードプレーヤーが
並び、随時ターンテーブルが回転し、音を奏でる。

音と言っても音源はレコードではなく、
ターンテーブルやトーンアームに造作された異なる仕掛け。

回転数は同様と思われるが、取り付けられた素材の違いにより
様々な拍子の異なる、または音色の異なるリズムを奏でる。

ある時は一台だけ、ある時は複数台が共鳴し、
まるで『ラベル』の〔ボレロ〕を聴いているみたいな気分にさせられる。


それ以外にも、
ちょっと背筋が薄ら寒くなる『クリスチャン・ボルタンスキー』の〔死んだスイス人の資料〕や、
複数回観ているにもかかわらず、見かける度に
その前を何度も往復し、度毎に異なる輝きの妙を楽しめる
『冨井大裕』の〔gold finger〕など、見所は多数。

会期は~2月14日(日)まで。
一般の入場料は500円。
企画展のチケットがあれば、無料入場可。