RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

コードネームU.N.C.L.E. @チネチッタ川崎 2015年11月23日(月)

封切り十日目。

席数284の【CINE 5】は九割方埋まっており盛況。


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いや~これは面白いわ。

〔ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ〕から連綿と続く
切れの良い繋ぎが先ずは素晴らしい。

以降の作品でも同様の手法を多用し、
シャーロック・ホームズ〕のシリーズではそれが鼻に付き始めたが、
本作では原点回帰、丁度良い塩梅に収まっている。


そして、原典から大きく離れたり、
現代という時代に移植すると言う
昨今の流行をわざと外し
意図的に当時のまま、要は60年代に舞台を設定していることで
イマイマのハイテク頼みとはまた違った味のスリリングな点が
多々見られる。


それにしても往時のファッション・文物・車等を、
これだけの規模で再現するのは
並大抵の手間ではなかったろう。

ほとほと感心するほど、広がる空間の全てが
ムカシの空気で満ち満ちている。

テーマ音楽にも
〔The Man from U.N.C.L.E.〕の
ジェリー・ゴールドスミス』によるそれをきちっと使っていることにも
その姿勢が端的に現れている。


また元々は
『ソロ』=主
イリヤ』=従であったものが
本編では最初から対等な関係を提示することにより、
彼らの過去及びそれによって形作られた性格がきちっと判るメリットも出てきた。

(まぁ、〔バットマン〕や〔グリーン・ホーネット〕も同様だけど・・・・)

それ程、この二人の対抗軸は面白い。

奔放そうに見えるのに、なんだかんだ言っても国家に愛着のある『ソロ』と
堅物で機械の様に正確なのに、実はいい加減さも持ち合わせている『イリヤ』のカラミは
都度都度にやりとさせられてしまう。

特に国家の威信を背景にしたエピソードは
もう爆笑するしかない。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


普通であれば見せ場になるはずを大掛かりな戦闘シーンを
意図的にばっさりと切ってしまい、
二時間弱を有効に活用、
それ以外の描写に厚みを持たせたのは、大英断
(勿論、予算も関係もあるんだろうけど)。