RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ミケランジェロ・プロジェクト@TOHOシネマズシャンテ 2015年11月7日(土)

封切り二日目。

席数224の【CHANTER-1】の入りは満員の盛況。


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所謂、小隊モノに分類されるだろうか。
各地を転戦しながらミッションを果たす。

しかし、実話をベースにした本作、
目指すのが場所や人ではなく、大量のモノであるところが
一風変わっている。


ナチスに強奪された美術品を捜索する
特殊部隊が在ったこと、および、その成果については
アート好きには知られた事実。

つい数年前にも、
同じような経緯を辿った美術品の数々が
発見されたのがニュースになったばかりだし。


物語の導入部は、どうにも歯切れが悪く
面白みに欠ける。

七人の侍〕でも判るように、
スタッフを集める過程の描写は
ある意味作品の方向性を示すもので、
かなり重要な要素。

それが、二時間という尺の制限がある為だろう、
かなり端折られており、人物紹介にも十分でないし、
ましてや、やり様によっては、もっと面白くなっただろうにと
残念でならない造り。


戦場の場面になっても、そのがっかり感は続く。

史実がそうだからしょうがないけど、
チームを複数に分け、各々が探索に当たる。
それぞれに印象的なエピソードを紐づけているわけだが、
それがどうにも散漫な印象。

この場面に出て来た人は、どんな関係があって
今後、どんな風に主題に係って行くのかも判然とせず、
ん~、ただでさえ外国人の顔と名前は憶え辛いのに、
ましてや第二次大戦時にヨーロッパ戦線の歴史的事実なんて
記憶に殆どない訳だから、余計に混乱してしまう。

これは、日本に限らず、多くの国の観客だって
同様ではないだろうか。

かなり不親切な構造なのだ。


ただ、終盤に向かい、
目当ての美術品が発見される件になると、
今までのまだるっこさを吹き飛ばすキレの良さ。

観ている側も思わず快哉を叫ぶだろう。


旧ソ連軍を揶揄しているような描写の多さ、
最後に自分の父親を登場させるような身内贔屓も
ちょっと鼻に付くけれど、
総じてみれば、それなりのエンターテインメントとして成立するのは、
縁の下の力持ちとして働いた人々に
きちっとスポットライトを当てた企画の勝利だろう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


観終わって劇場を出ると
腕章を付けた若いお兄さんに呼び止められる。

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「ぴあ」の出口調査ね。

映画館には人並み以上に通っているつもりだけど、
これは初めての体験。

「65点くらいですかね」と
答えておいたけど、その背景には、これくらいの
イイタイコトがあるんだよね。

あと、今日は初日ぢゃないですけど。