RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

白い沈黙@TOHOシネマズシャンテ 2015年11月7日(土)

封切り四週目に突入。

とは言っても東宝系列で上映中は
標題館だけなんだけどね。

席数190の【CHANTER-3】の入りは二割ほど。


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十歳の娘が突然行方不明になる。

警察は前科のある父親に疑いの目を向ける
(このあたり〔ゴーン・ガール〕に似ていかも、と思ったが、
先々、全然異なる方向に話は転がって行く)。
が、それが初動捜査に遅れに繋がったのかは判然としない。

それから八年が経ち、娘の消息は依然として知れない。
事件が夫婦に亀裂を生み、今では二人は別れて暮らす。

父親は仕事をしながらもあてどなく娘を探し続ける。

同時に母親が働くホテルの客室で、
不可解なコトが続けて起きる。


以上が導入部のあらまし。

しかし観客の側には、過去も現在も全ての要素が
全てバラバラのピースにされ、何の脈絡もなく提示される。

なので、我々は必死の思いで
頭の中で時系列に再構築する。


おまけに中途から、どうやら異なる事件の要素も
紛れ込んでいるらしいことが判って来る。

それさえも、さも当然の様に、ぽ~んと挿入されるので、
最初、何が起きているのかさえ理解できない。


実際は倒叙法に近い造りになっており、
観ている側は、過去に何が起こり、
今何が起こっているのかを目の当たりにしてしまっている。

なので登場人物全ての心持ちが、手に取るように把握できる。

それでも、流れが分解されている故に、
次に起きることは全く予見できず、
緊張感に包まれ、手に汗握りながら画面を注視し続ける。


謎解きが主題なのではなく、
父親がどうやって真相に辿り着くのかが
サスペンスの核。

それは、意外な人物の協力に由るのだが、言わぬが花。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


全てが明らかになった後でも、
我々の心中はあまり晴れやかにはならない。

何故なら彼の国では、かなりの件数
この様な事件が起こり、未解決になっているのだろうから