RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

アントマン@109シネマズ木場 2015年9月26日(土)

封切り八日目。

席数331の【シアター3】の入りは五割ほど。

親子連れがいるかと思えば、
老齢の夫婦、学生らしい男子の二人連れと
客層も幅広い。


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他の「マーベル・コミック」発とは
かなり出自を異にするヒーロー。

なんてったって、義憤に駆られた結果とは言え
刑務所入りの前歴があるし、彼を助ける脇役も
全てが窃盗を主にする犯罪者。

オマケに「アントマン」になる為のスーツを身に着ける理由が
離婚して親権を持たない娘に
胸を張って会いたい、英雄と思われたいなどと、
世界平和とは全くもって関係の無い動機。

更には、彼を助けて活躍するのは
各種の蟻さん、って 
何処までも脱力系。


しかし、その出自故に、やたらカッコ好くて、
悩みももっと崇高な一般的なヒーローよりも
親近感を覚えるのは確か。

会社で家庭で虐げられている
世のお父さん達の感涙を搾り取るのも
むべなるかな の設定。


そして基本プロット以外のアクションシーンでも
小さいモノを大きくする、
大きいモノを小さくする、
起伏によって迫力を増加させ、また
戦闘域を、常日頃我々の身近に在る場所に意図的に限定し
それを拡大して見せることで、新たな発見と
小さい者の見る目と、大きい者の見る目の落差を利用して
相当の面白みも出している。
斬新だ。


オマケ的要素として、他の
「マーベル・ヒーロー」との係りもキチンと描かれている。
ただここいら辺は、シリーズをキチンと観込んでいないと
ちょっと付いて行けないかも。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


そうこうしながらも大団円を迎える訳だけど、
徹頭徹尾チカラの抜けたエピソードの積み重ねで
此処まで魅せる力量は大したもの。

エンドロール以降の観客へのメッセージも
「To be continued」といったありきたりではなく
ちょっと一捻り。
作品を貫くトーンは、最後まで徹底している。