RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ヒロイン失格@チネチッタ川崎 2015年9月23日(火)

封切り五日目。

席数290の【CINE 4】は
ほぼ満員の盛況。


それにしても激しく偏った客層。
小・中学生の女子の集団、
及びその年齢のカップルが99.9%を占める。

自分みたいなおぢさんは、
ほんの片手ほどしかいない。

なんとなく居心地が悪い。


しかし、この背景にあるのは
①「別マ」のファンである
②『桐谷美玲』のファンである
③『山崎賢人』『坂口健太郎』のファンである
のどれだろう、と思っていたら
本編終了後の告知画面で場内がざわついた時に、
ああ、これは①なのね、と確信できた。

今はこんな世代が読んでいるんだねぇ。
ちなみに、自分は大学生の時に読んでましたが
それがなにか?


イメージ 1



本作もある意味、漫画の中の世界観を
スクリーン上に忠実に再現しようとの試みで、
実際かなりの部分で成功している。

それは、
CGの多用と主演の『桐谷美玲』の
突き抜けた変顔の多用の二つ、
特に後者の功に依るのは間違いない。

兎に角『桐谷美玲』が飛ばす飛ばす。
幾ら作品のファンとは言え、此処までやるか。
整った顔が台無しになるくらい
時には凶暴ささえ感じるほどの変容振り。

コメディエンヌと言うよりも、
本人は真面目に行動しているつもりなのに
それが故に可笑しさが漂う役柄(例えば〔女子ーズ〕とか)が
ぴったり来ているのだから
主人公『松崎はとり』役にはうってつけ。

なので、序盤の
よりコメディっぽい描写が多い時にこそ本領が発揮され、
終盤、しっとりした恋愛シーンが多くなるに連れ
トーンダウンしてしまうのは
仕方ないコトではあるけれど、正直勿体無い。


ただ、それ以外にも、楽しい仕掛けは沢山。

例えばスクリーンから観客に向かい話し掛けるシーン。
古くは『黒澤』、または『ウディ・アレン』が活用する
メタフィクション的手法。

または70年代の日本の歌謡曲の歌詞の
科白への転用。

などなど、映画好きのおぢさん達をも
楽しませてくれるだけの要素も
きっちりと盛られている。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


ストーリー自体は、イケメンだけど
ナニゴトにも煮え切らない優柔不断な
幼馴染にヒロインが恋する筒井筒。

結ばれることがヒロインになる条件と信じ
そうなるためにあらゆる手練手管を尽くす。

プロットはありきたりだけど、
主人公の弾けっぷりが、兎に角、楽しい。