RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

キングスマン@TOHOシネマズみゆき座 2015年9月14日(月)

封切り四日目。

席数183の標題館の入りは八割ほど。
「R15+]が付いているだけあって、
客の年齢層は高め。


監督が、あの『マシュー・ヴォーン』だから、
色んな意味での事前期待は持つ。

続編ではスカしたものの、
当時十一歳の少女に放送禁止用語を散々喋らせた
キック・アス〕での前科があるんだし。

ただ、観終わった時に、本品に
こんなレイティングを付ける必要がホントにあるのかね、
とは思ったけど。


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幾つかの要素が全て
二面性を持つことで成立している映画と言えようか。

キングスマン」の構成員は、どこまで行っても英国の紳士風。
コードネームでさえ「アーサー王伝説」から摂られている。
一方、敵対する『リッチモンド・ヴァレンタイン』は
アメリカのIT長者でその服装もラッパーのよう。そして、黒人。

こんなのはほんの手始め。

映画らしい嘘くささと、
現実世界ではこれがホントだろうと思われる結末を
臆面も無く融通無碍に使い分け、
これが却って観る側には、意表を突く展開と映る。

直近では英国紳士の、それも気の弱そうな役が多かった『コリン・ファース』が、
此処では外連味たっぷりなアクションを颯爽と演じている。
真面目な口調と物腰、顔つきでやられると
それだけで可笑しくなる、そのギャップも堪らない。

人が死ぬ場面にしたって、妙に殺伐とした描写があるかと思えば、
一種ファンタジーにも似た造りにしたシーンありと、
どこまで真面目で、どこまでふざけているんだか。


この手の作品にはツキモノノの思わぬ人物の裏切りや
驚くような死というお約束もきっちりと盛り込み、
これが無くては始まらない
秘密道具の数々とそれを活躍させる幾つかのシュチュエーションも用意し
ある意味スパイものの王道を行っている。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


おそらく、過去の〔007〕シリーズへのオマージュ、
またはホラー作品からの引用も詰め込まれ、
往年のスパイ映画好きなら、喝采を贈らずにはいられない。