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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

交流するやきもの 九谷焼の系譜と展開@東京ステーションギャラリー 2015年8月16日(日)

一般の入場料は900円だが、
「東京駅周辺美術館共通券 2015年版」を利用。

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お盆の最終日だし、焼き物と言う特殊な案件だし、
たいした混雑はないだろうとの思惑は、
半分は正解、半分は外れ。

入場当初こそ空き空きだったのに、
その後はかなりの来場者で比較的観やすい配置にもかかわらず、
他の人を気にしなければ鑑賞できないような状況に。
ちょっと意外。


展示そのものは大変丁寧。

古九谷から始まり江戸後期の最高~海外への輸出~
魯山人』や『宮本憲吉』の作陶、そして現代と
順を追って並んでいる。

歴史自体を俯瞰できると共に、
各時代の代表的な作品も
きっちりと追える構成になっている。

展示数も百を超え、物量的にも十分。
アイランド上に設えられたショーケースも
拝見する上でのストレスが溜らず
ひじょうに有り難い。

そしてギャラリー自体の持つ味わい~
周囲が基本、剥き出しの煉瓦~が、青手主体の展示物を引き立てる。
これは思わぬ発見。

また入場して直ぐの場所に置かれているのは
〔青手団扇散文平鉢〕。
季節らしい一品で、思わずにやりとさせられる。


並んでいる作品も、青手あり、赤絵あり、染付あり、と
多種に富んでいる。

中でも気に入ったのは〔椿梅花図片口〕。
子供の掌にすっぽり収まる小ささ。
これに日本酒を入れて杯に注いだら、
その風情とも相俟って、旨さが増すのは必定。

そして〔色絵絵替八角小皿〕。
同じ形状の豆皿に、異なる意匠が描かれた十数枚。
彩りも多様。仔細に観れば、モチーフも広範。
これを日々の酒食に使えば、
毎日がどんなに煌びやかなものになるだろう。



ただ正直、「北陸新幹線開業記念」との副題は
ど~でもイイ感じよね。