RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

新宿スワン@TOHOシネマズ 日本橋 2015年6月1日(月)

封切り三日目。

席数290の【SCREEN 8】の入りは四割ほど。


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変なビジネス書を読むよりも
この一本を観る方が
余程シゴトに役立つ。

それ程、多くの箴言に満ちている。


例えば、「君が誰かは重要だが、
誰が君を紹介したかがもっと重要だ」。
ビジネスの現場では、「**部の部長を紹介してもらえませんか」とか
「**部に繋いでもらえませんか」は度々ある科白だけど、
電話のアポだけで、こういったコトを平気で言って来る輩の
どんなに多いことか。

ヒトをヒトに紹介するってのは、それなりの責任もあるわけで、
幾許かの覚悟も必要。おいそれとできるもんじゃないよね。


舞台は歌舞伎町。それ程広くもないエリアなのに、
「バースト」「ハーレム」の二つのスカウト会社が凌ぎを削っている。

スカウトと言っても、女性を風俗産業に送り込むためで
互いの会社は目の上のたんこぶ、裏の権力を利用したり
M&Aを画策したり、会社内での裏切りや、新人を捨て駒に使うなど、
あるある、こ~ゆ~ことって。

株主総会はないけれど、幹部間のチカラ関係で社の方向性が決まるのも
まったくリアルなオハナシ。


スカウトの食い扶持は、女性を風俗店に紹介した時の一時金と、
その女性達の稼ぎから一定率で還元されるマージン。

なので彼女等の稼ぎが多ければ多いほど潤う仕組み。


主人公の『白鳥龍彦(綾野剛)』は女性に対しては優しい性格に描かれ、
スカウトした彼女達の面倒を何くれと見る。

気性の合った店を紹介し、ムリな仕事は強要しない。

なので女性達も気分良く働け、所謂、ウイン=ウインの関係性が構築されている。


敵対する、「ハーレム」の『南秀吉(山田孝之)』は真逆の性格に設定され、
金と恐怖でしか周りを支配できない。

どちらがより人望を集めるかは
言わずもながだが・・・・。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。


暴力的なシーンは無くても
構想の妙味だけで十分に面白かったろうと思わせる作品。

今後に繋がる含みも持たされた脚本だし、
続編もアリかもしれない。