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没後100年小林清親展@練馬区立美術館 2015年4月29日(水)

どこかで紹介されたんだろうか?
一般の入場料は500円だが、無料の展覧会の時よりも客が入っている。
しかも中高年が多いし。

「開館30周年記念」の惹句とともに
「文明開化の光と影をみつめて」
副題も冠されている。

会期は~5月17日(日)まで。


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基本、浮世絵が主体なので
場内の照明はやや暗めに設定されている。

なので、折角の鮮やかな色合いが
やや映えない恨みはある。

会期は五つに区切られ、
各百五十点ほどが並んでいるわけだが、
それにしても、その守備範囲の広さには驚かされる。

風俗画があるかと思えば風景画もある、
風刺画もあるし戦争画もある。
加えて本の挿絵の体裁のものまである。

どこまで多面なのだろう。


おまけに
〔明示十四年一月廿六日出火 両国大火浅草橋〕で紅蓮の炎が巻き立つさまは、
今なら新聞のトップを飾る写真になっているのだろうし、
日時は異なるが焼け跡を描写した一枚もあり、
ルポルタージュの側面も持つ。

戦争画であれば日清戦争時の沈み行く敵艦を
半分は海中の中から見たように描写する。
これ、タッチが違っていたら、まるっきり『小松崎茂』のそれなんですけど。


明治十年代の名所図会を初めとする一連の作品も素晴しい。

描き込まれている風俗が先ず楽しい。
傘も洋傘と和傘が混在していたり、
傘に積もっている雪もふうわりと均等ではなく
所々ずり落ちたりした妙にリアルだし。

おまけに夜を題材に取って こんな描写をした作品って
過去有ったか?
闇の中に、燈火がぽつんぽつんと光っている。
現代作家の作品みたいじゃないか。

時々の時代を勘案しながら観れば
和と西洋が、不思議なコトに自然と混交しているようにも見える。
意図的な構成かもしれないけれど、観ている側としては
頗る面白い。


七福神等を題材に取った肉筆の軸では
若冲』のような洒脱さとユーモアーも垣間見せる。

天孫降臨以降の神話の世界を描いた屏風も興味深いしな。


人が観ている前に顔を突き出したり、
画との間に入り込んで来たり
脚や肩をぶつけられたりといった振舞いの人は
常よりも多く感じたけれど、
それでも展示作品の良質さは
それら不都合を凌駕する。

時間とお金を掛けて来て良かったと、
ホントに思った。