RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ジヌよさらば~かむろば村へ~@109シネマズ川崎 2015年4月10日(金)

封切り七日目。

席数121の【シアター5】の入りは五割ほど。


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「ジヌ」は東北弁で「お金=銭」のコト。

都会の銀行で引き剝がし業務のトラウマから
今はお金アレルギーになってしまった『高見武晴(松田龍平)』が
東北の辺鄙な山村へやって来る。

そこは65歳以上の人口が半数近くにもなろうかという
ほぼ限界集落

村ではお金を使わない暮しをおくるつもりだったのだが、
そうは問屋が卸さない。
寒さを凌ぐにも、当座の食を得る為にもお金が要る。


まぁ、田舎者から言わせて頂くと、彼の思惑は正直
相当の甘ちゃんで、イマドキどんな山奥だって貨幣経済は浸透し、
ホントにお金を使わないのなら、外国で実際にあった様に
洞窟にでも住んで自給自足をするしかない。

そんな覚悟もないものだから、
案の定、あっと言う間に行き詰まり、
なにくれと世話を焼いてくれる村人の助けに頼ることになる。


で、本作、そんな苦労をする『武晴』が主人公かと言えば、
どっこいさにあらず。彼はほんの狂言廻しにしかすぎず、
ホントの物語りの中央に在るのは村自体とそこに住む村人。


なので登場人物達は皆が皆が、ワケありそうで胡散臭い。

『武晴』の面倒を甲斐甲斐しく見る村長『天野与三郎(阿部サダヲ)』からしてそうで、
日頃は所謂「良いヒト」なんだが、時として粗暴さが顔を出す。
彼の過去になんかあったのか?と言うのが、もう一つのハナシの軸。


物語ではそんな村での日常がペーソスを交えて描かれ、
時として幾つかの事件が起こる。

松尾スズキ』の脚本と監督は、
舞台出身らしい楽屋落ちや猥雑さに満ちており
映画っぽくない演出がちょこんちょこんと顔を出す。

特に「神」感じさせる人物の存在は最たるもので、
よしんば原作にあったとしても、物語に組み込むのは
妥当だったかどうか・・・・。


評価は☆五点満点で☆☆☆★。


阿部サダヲ』と『松たか子』は〔夢売るふたり〕に続いての夫婦役で
呼吸がぴったりと合っている。

それにしても『松たか子』。

その年齢からはかけ離れた可愛らしさに加え、妙に色っぽく、
エロ可愛さが充満している。

そ~言えば、この後妊娠し、今年出産したんだったな。