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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

天才陶工 仁阿弥道八@サントリー美術館 2015年2月11日(水)

一般の入場料は1,300円だが、
480円と言う格安価格で招待券を入手した。

会期は~3月1日(日)まで。


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多くのディスカウンターで価格が下がっていないので、
相応の混雑は覚悟してはいたが、此処までとは思わなかった。

場内はかなりの入り。
順路に従い列を作り、作品よりも解説を読むことに時間を費やすので
動きはのろりとしか進まない。

なので、こちらは、空いている場所を選んで動き、
または一歩退いて、人と人の隙間から覗き込むようにして鑑賞する。

それでも、その素晴らしは十分に感じ取れるのだがな。


入って直ぐのコーナーには父親の作品群が並ぶ。

どういったものを手本にして彼の感性が形造られて行ったかを
先ずは提示する。

以降は、殆どが『道八』まみれ。
ただ中途に、本歌としたものや、同時代の
例えば『文晁』とのコラボ作品を挟み込み
表現の広がりも描き出す。

出口付近では、直系を含め『道八』の衣鉢を継ぐ者の作品が並び
どの様に進化の過程を踏んだのかを示し、〆とする。

こなれた動線である。


それしても『道八』、その芸域が幅広い。
折り目正しい端正な茶碗を造るかと思えば、
置物・手焙・炉蓋では一転して 破 
調子を意図的に乱し、ユーモラスな作品が眼前に並ぶ。

しかし、どんな作品に於いても、その造形力の確かさは揺るがない。
例えば〔黒楽銀彩猫手焙〕の写実性の高さはどうだろう。

また〔色絵狸炉蓋〕に漂うエスプリの素晴らしさったらない。

副題にあるように「のびのびと、まじめに。」を
まんま体現している。


どんなに観ても飽きが来ない、
そして展示の仕方も優れて素晴しい