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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

未来を担う美術家たち 17th DOMANI・明日展@国立新美術館 2015年1月18日(日)

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一般の入場料は1,000円だが、
何と吃驚180円で昨年のうちに
ディスカウンターで招待券を入手。

それ程の不人気物件なのかと訝っていたら、
場内はそこそこの混雑で例年通りの人の入り。


文化庁芸術家在外研修の成果と副題にあるように
海外遊学の成果発表の仕立てで、計十二名の作品が展示。

若手ばかりかと思って履歴を見れば
自分とあまり変わらない年齢の作家さんもおり、
幾つになっても表現の強さがキモなのねぇと
想いを新たにする。


『入江明日香』の一連の作品にぶっ飛んだ。

銅板という制作技術が信じられない流麗な表現。
そして濃淡を生かした繊細な描写。

一部コラージュを使っているようだから、
部分によっては貼り付けもしているんだろうけど、
それにしても、だ。

大小や時代や空間が混在する大胆な構想。

仔細に見ながら、包含されている意味性を探り、
描き込まれた文物を探せば、都度発見があり見飽きない。

素晴しい。


ここで観て驚嘆した『岩崎貴宏』の作品に向き合い、
改めてその発想と技法に対しての認識を新たにする。
再びの邂逅も、ホントにこれが布だけでできているとは俄かには信じられない。

でも確か、なんだよねぇ。

例え材料が紙であっても、これだけの細さで、
この構造物は簡単ではないだろう。

加えて本展では桧を使った建造物も展示。
相応な大きさの「金閣」「銀閣」「五重塔」。

底辺を合わせて上下にシンメトリーな造りは、
さながら、水に映った逆さ富士のイメージか。

本作には多くの人がカメラを向けている(ちなみに一部作品を除き
撮影可)。


やはり『川崎市民』で観た『北野謙』。
〔our face〕のシリーズも並んではいるが、
あくまでも主体は
一地点でシャッターを長時間解放し、太陽や月を写した新シリーズ。

モノクロからカラーへと表現も変わり
一本の太い線として軌跡が画面を横切る。

背景はぼうとしたり平板化し、太陽と月が強く自己主張する。


それ以外の作家さん達も、十分な見応えで、
いやいや今年も来て良かった。

会期は~1月25日(日)まで。