封切り六日目。
席数183の標題館の入りは三割程度。
物語はのっけから、そのBGMを含めて
剣呑な雰囲気を孕み、始まる。
剣呑な雰囲気を孕み、始まる。
語り手はリオのスラムに住む少年達。
その口から出てくるのは、サスペンス絡みの小説ではよくある科白も、
子供が吐くような内容ではない。
その口から出てくるのは、サスペンス絡みの小説ではよくある科白も、
子供が吐くような内容ではない。
それをあっけらかんと話す。
まるで死をも恐れていないかの如く。
まるで死をも恐れていないかの如く。
親もいない彼らの日常は、
ゴミの山で使える物品を漁ることで明け暮れる。
それを仲介業者に渡し日銭を稼ぎ糊口をしのぐ。
ゴミの山で使える物品を漁ることで明け暮れる。
それを仲介業者に渡し日銭を稼ぎ糊口をしのぐ。
臭いことにも「すぐに慣れる」と言い切り、
傍目には明日の希望もないように見えるが、
底抜けな明るさを失わない。
傍目には明日の希望もないように見えるが、
底抜けな明るさを失わない。
その内の一人『ラファエル』が財布を拾い、
中に有った紙幣以外のものに興味を持ったことから、
ストーリーは予想だにしなかった方向に転がって行く。
中に有った紙幣以外のものに興味を持ったことから、
ストーリーは予想だにしなかった方向に転がって行く。
主人公達はまだ僅か14歳であり、幼い故の不注意と
加えて識字も確かではないことから
次々と窮地に見舞われる。
しかし、それを救うのも、彼ら同様、社会の底辺に住まう人たち。
加えて識字も確かではないことから
次々と窮地に見舞われる。
しかし、それを救うのも、彼ら同様、社会の底辺に住まう人たち。
そして敵対する、
彼の国ならではの官憲の腐敗もたっぷり描かれる。
声高ではなく、しかし、国の末端まで贈賄が染み付いていることを
幾つものエピソードを重ねることで明らかにする。
彼の国ならではの官憲の腐敗もたっぷり描かれる。
声高ではなく、しかし、国の末端まで贈賄が染み付いていることを
幾つものエピソードを重ねることで明らかにする。
オハナシの結末は、直ぐには社会を変えることはないだろう、
でも何よりも大切なこと、「正しくないことは正しくない」と言い切れる純粋さが
汚れちまった大人である自分の目には、眩しく映って仕方がなかった。
でも何よりも大切なこと、「正しくないことは正しくない」と言い切れる純粋さが
汚れちまった大人である自分の目には、眩しく映って仕方がなかった。
彼らの将来が希望に満ちたものになったかと言えば
けしてそんなことはなく、これからの長い一生につかの間に見た
一種の幸せな白日夢だったかもしれない。
けしてそんなことはなく、これからの長い一生につかの間に見た
一種の幸せな白日夢だったかもしれない。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。
伏線の張り方や筋立て、
シーンの盛り上げ等、良くできている。
シーンの盛り上げ等、良くできている。
子供達の冒険活劇ともとることができるが、
これは上質なサスペンスものと仕分けた方が正解だろう。
特にラスト前のシークエンスの手に汗握らせる造りの上手さは
半端ではない。
これは上質なサスペンスものと仕分けた方が正解だろう。
特にラスト前のシークエンスの手に汗握らせる造りの上手さは
半端ではない。