RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

クライム101@TOHOシネマズ川崎 2026年2月13日(土)

封切り二日目。

席数147の【SCREEN2】の入りは六割ほど。

 

 

『ママス&パパス』の楽曲〔夢のカリフォルニア(1965年)〕では
温かい土地の象徴として歌われていたが、
イマイマのカリフォルニア州
GDPは世界第四位の規模に匹敵するも、
住民の貧富の差は大きく、
オークランドは治安の悪い都市として知られているとも聞く。

本作の舞台となる「ルート101」は
同州を縦断し、
南端はロサンゼルス、北端はユーレカ、
州内の総延長は1,300kmにも及ぶ
長大な幹線道路。


宝石泥棒の『デーヴィス(クリス・ヘムズワース)』の
活動舞台は「ルート101」の線上。

そこから外れることはなく、
他にも幾つかの「決めごと」に遵守し強盗を働く。

けして身元が割れぬよう、細心の注意を払う工夫。
拳銃を脅しには使うものの、人に向けて発砲はせず、
暴力は振るわぬ自己規制。
ターゲットの行動を事前に入念に調査する周到さ。

とは言え、その挙動はさほどスマートとは言えず、
不測の事態にはうろたえる。
プロには成り切れておらず、
シゴトが終われば
コールガールを呼び興奮を鎮める。

彼には目標とする取れ高があり、
達成できれば引退するつもりなのだが、
具体的に金額や用途が明示されることはない。


地元警察の刑事『ルー(マーク・ラファロ)』は
事件を追ううちに、一定のパターンがあることに気付く。
犯罪者の「決めごと」が、却って容疑者特定に繋がる皮肉。

『ルー』は融通が利かず、出世も遅れている。
腐敗した警察機構に愛想が尽きかけてはいるものの、
犯罪者を野放しにはできない正義感がある。

一方で仕事に執心するあまり、
妻からは三行半を突き付けられる。


保険会社に勤める『シャロンハル・ベリー)』は、
契約達成の実績もあり、入社して十一年にもなるのに、
いまだにパートナーへと昇格できてはいない。

後から入った男性には先を越され
地位にも給与にも満足できず
くさっていた。


何れもが渇望を抱える三人が交わり
新たな事件が動き出す。

そこに犯罪組織の男『オーモン(バリー・コーガン)』も加わり、
事態は風雲急を告げる。

その中心には『シャロン』がおり、
彼女が誰に何を告げ、何を漏らしたのかが、
終幕への鍵となる。


エンディングは、ある意味予定調和的な
ハッピーエンド。

しかしそれで三人の渇きは満たされたのだろうか。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


登場人物たちが
スティーブ・マックイーン』について想いを交わす場面がある。

本作そのものが彼にオマージュを捧げている証左も、
お気に入りの作品として
同じ1968年に封切られた〔ブリット〕〔華麗なる賭け〕を
泥棒が刑事モノを、刑事が泥棒モノを
マイフェバリットとして推す捻じれは笑えるシーン。

ちなみに自分のお気に入りは
大脱走(1963年)〕での独房王『バージル・ヒルツ大尉』だな。