封切り二日目。
席数142の【SCREEN1】の入りは六割ほど。

性別の異なる二人(+α)が孤島に流れ着き、
そこで事件が起こる。
同様のモチーフの作品は過去にも多々。
{孤島漂着もの}の派生形も、直近では
〔東京島(2010年)〕のように、
女性が「性」を武器に成り上がるパターンと、
〔逆転のトライアングル(2022年)〕での
サバイバルのスキルにより
ヒエラルキーの逆転が起きるケースに大別されるか。
本作の場合は後者。
コンサル会社で働く『リンダ(レイチェル・マクアダムス)』は
業務上では優秀、容姿も満更ではない。
が、服装はダサくコミュニケーションにも難ありで、
「アスペルガー症候群」かもと思わせる造形。
先代の社長には気に入られ、
息子が社長になった暁には副社長への抜擢を確約されたものの、
若社長の『ブラッドリー(ディラン・オブライエン)』は
苦労知らずのぼんぼん。
自身のお気に入りを腹心に据え、
『リンダ』をないがしろにする。
彼女を追い落とすために策略を巡らし、
プライベートジェットでタイへ向かう途中で嵐に遭い、
他の同乗者は皆死亡、
二人だけが孤島に漂着する。
そこで起こることは、ある種予定調和的。
『リンダ』がサバイバル技術を持っていることは
従前から提示される(半分、ギャグチックではあるもの)。
『ブラッドリー』が中身の無い二代目なのも同様。
心ある者は彼の新社長就任を、憂いこそすれ、
歓迎はしていない。
文明の利器や利権が絡む人間関係が希薄な場所では、
その立場はいとも簡単に逆転。
観ていて小気味良いほどだ。
前段では抑圧される主人公と、その夢見がちな側面を描き、
観る者の義憤をかき立てる。
無人島では、サイコ的な側面は次第に顕になり、
怒涛の終盤へとなだれ込む。
半分は想定内、半分は意表を突く展開も、
二時間弱尺の展開は起伏に富んでテンポ良く、
最後まで間延びすることはない。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
監督の『サム・ライミ』は過去の自作を想起させるシーンを
幾つも挟み込む。
さながらセルフパロディのコラージュのように。
元々はおどろおどろしい場面のハズなのに、
繰り返される度毎に、不思議と笑いが込み上げて来る。
おそらくアメリカでは、
劇場内が爆笑に包まれているだろう。