三つの「退任記念展」が
ほぼ同時期に開催されているうちの一つ。
会場は【本館 展示室1、2(地階)】。
展のタイトルは”錯視の表情”。
展覧会の概要を読むと
「だまし絵」「トリックアート」などの単語が目に入る。
成る程館内には、
既に廃業してしまった「ふとん店」や
町の「防火倉庫」を模した作品も並ぶ。
実際に、その前に立ったようなリアルさ。
造作は古ぼけ、壁面の琺瑯の看板は時代がいっている。
共通して表現されているのは、
既に過去の遺物となっていることだが、
それ以外の作品にも、
閉じられている門や、
入る扉も出る扉も通せんぼされている打ち捨てられた乗り物など、
なにかしらの共通のモチーフがあるよう。
そうした緻密な表現の裏打ちとなるように、
{花鳥画}にも見える作品も並ぶ
({ミクストメディア}とキャプションには書かれている)。
作品が掲載された雑誌も並び、
作者の過去作を総覧できるわけだが、
会場全体に通底しているのは
昔を今に再製することに
思えてならない。
会期は~12月1日(日)まで。