バルト三国は
エストニア
ラトビア
リトアニア
何れも1991年に独立国として国連に加盟している。
それ以前は周知の通り
ソ連の支配下にあり、
人々の生活はいかばかりだったかと慮る。
本展はその三国出身の写真家十七名の作品が
二百点ほど並ぶ。
全てモノクロームなのは印象的も
注視すべきは撮られた年代で
古くは1950年代、
新しくても1980年代。
全体的に暗めのトーンは感じつつ
受け取る印象は日々の暮らしを懸命に生きながらも
謳歌する努力も続ける人々のしたたかさ。
80年代の写真には
パンクロックのファッションに身を包んだ若者たち。
迸るエネルギー。
中にはヌード写真も、
それも前衛的な構図の作品もあり。
生活者も強靭ながら、
写真家も負けず劣らずチャレンジング。
東ドイツ出身のパンク歌手『ニーナ・ハーゲン』が
1974年にリリースした〔カラーフィルムを忘れたのね〕を思い出す。
日常のよくある諍いを描写した歌詞に込められた
体制への寓意を。
会期は~6月9日(日)まで。