何とも面妖なタイトルも
実体は”SICF23 EXHIBITION部門 グランプリアーティスト展”。
”SICF23 EXHIBITION部門 受賞者展”も同時に開催されており、
計十名の作品が並ぶ。
これがどうにもたのしい。
バリエーションの豊富さと、
何れもが着想の斬新さで
観ていて飽きさせない。
『山本アンディ彩果』の〔記憶の在処〕は
タイトル通り「記憶」を体現したインスタレーション。
年季の入った本棚には
自身と彼女の父親が嘗て読んだ(であろう)本が並ぶ。
しかし、そのうちの幾つかは砂糖に漬けられ乾かされ、
行の上には結晶が析出する。
こうして二入の経験は固定化され
美しい形で残って行く。
『君とバラ色の人生ズ』の〔食べた分だけ光る神〕は
とってもお馬鹿さん。
三台のモニターには、ひたすら食事をする女性が映し出され、
その後ろには不可解な踊りをする女性神。
その神のかぶり物が、食べ物の総量によって光るのだが、
これはぜひ、フードファターと勝負して頂きたい。
神が踊り疲れるのが先か、
フードファイターが食べられなくなるのが先か(笑)。
『アトレコレ ココ』の〔生命の樹-ウーシアの子-〕は
ワインのキャップシールで造った鳥や動物が
樹形図の上に並ぶ。
素材の色を活かした造形の妙も勿論だが、
一体何本呑めばこれが作れるのか。
捻じれた意味で羨ましくある。
会期は~5月25日(木)まで。