「明日天国を離れる ― I leave heaven tomorrow」が実際の本展のタイトル。
一見、二人展のようにも取れるが、
実際は、一人が実在で、もう一人は架空の人物との認識で宜しいか。
なんとなれば”第24回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展”、
同展は個人での応募とのシバリがあるハズなので。
一種のギミックも、入り口脇には
佐川梢恵:滞在
森野真琴:不在
等の表示もあり(実際は同一人物なので、同時に滞在は物理的に不可能なのだが・・・・)。
周囲の壁にはぐるりとイラストが並べられ、
奥のスペースには布団が敷かれている、
で、よくみると、其処にはご本人が寝ておられ
BGMとして流れている「蛍の光」が終わると同時に起き出し、
ネグリジェのまま日常のルーチンをこなす。
最初は(人が寝ていることさえ)気付かなかった来場者も、
彼女の奇矯な行動にスマホを向け、動画を撮りだす。
それも合わせて、観ている自分は笑ってしまった。
とは言え、タイトルからも感じられるのは
やや不穏な設定。
周囲に貼られている、たくさんの窓にも見えるイラストは
クレセントの存在が随分と目立ち、モルグの壁にも見え。
手前に立ててある直方体の木の置物は
棺桶にも思えてしまい、
心が随分とざわつく。
もっとも、長い髪で白い服の彼女は
「貞子」には見えないけれど(笑)。
会期は~10月22日(土)まで。