RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

LAMB/ラム@チネチッタ川崎 2022年9月23日(金)

本日初日。

席数191の【CINE10】の入りは七割ほど。

今日が23日、且つ、他の劇場での上映があまりないことからの入りか。
ちょっと吃驚してしまう。

 

 

日本でも昔から「件」の存在が巷で噂に上る。

人面牛体の妖怪で、生まれると直ぐに死んでしまうのだが、
その際に一つの予言をし、それが必ず当たるとの言い伝え。

それにインスパイアされた
原作『小松左京』/漫画『石ノ森章太郎』で〔くだんのはは〕のような作品もあり。
もっともこちらは、牛の顔に人間の体と、
江戸時代の瓦版に描かれた姿とは真逆なのだが。


山奥に住む羊飼いの夫婦『マリア』と『イングヴァル』が、
ある羊の出産に立ち会うと、
生み落とされたのは、羊でもない、
人でもない異形の生き物。

しかし、嘗て子供を亡くしていた二人は
『アダ』と同じ名前を付け、
その者を育てる決意をする。


授乳期間を終え、二足で歩行し、
言葉も理解するようにもなり、
我が子同然に育った『アダ』を愛しみ、
幸せに満ちた暮らしが続いていた。

中途、突然訪れた、夫の弟が波風を立てたものの、
直ぐに治まり、家族は平和な日常を過ごせるはずだった、が
突然の悲劇が一家を襲う。


我が国でも、牛頭・馬頭の例があるように、
頭人体の存在は不吉のサインであるに違ないない。

西洋でも「サタン」の姿が、頭の両の角で描かれるように
頭人体は禍々しいものではないのか。

それを夫婦は知っていて、目を塞いでいたのか。


北欧で、獣人説話があるのかは知らないけれど、
本作では冒頭から、その存在が示唆され。

いつどのようなタイミングと形で姿を現すのかがサスペンスも、
今回のそれの提示のされ方は衝撃的。
思わず、ぞっとしてしまう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


とは言え、本作は
おそらく〔オーメン(1976年)〕の流れをくむものに思われ。

勿論、ディテールに地域らしい要素は混み込まれてはいるものの
斬新さには欠けるよう。